中小企業の社員は何故やめてしまう!

中小企業の経営者が近年抱える悩みの中に、新しく社員を採用してもなかなか良い人材に巡り合えないというものがあります。
採用してもすぐに辞めてしまったり、長く続かなかったりと、採用だけでなくその後の教育にも苦労しているケースが多いようです。
なぜ中小企業の社員はすぐに辞めてしまうのか、その根本的な原因を知ることで人材不足を解消できるかもしれません。


中小企業は魅力を感じない職場?
中小企業の中には、従業員数が20人に満たなくても予算管理や実績対比を行い無駄の削減に努め、ノルマを社員がこなすことで毎期黒字決算を迎えることで多額の法人税を納税している大企業レベルの給与水準が確保できている企業もあります。
反対に経理はどんぶり勘定で、さらに通常は赤字でたまに黒字が出るといった傾向が強く、社員に対する賞与も社長の気分次第といった企業が中小企業の場合多く見られます。そうなれば従業員の給与水準も上がらないのでモチベーションも低下する可能性があります。
社員は自身の生活や家族を養っていくために働き、それに対する報酬として給料を受取るために働いています。十分な額が支給されなければ社員も辞めて転職を検討することになると言えるでしょう。
大企業とは異なる部分が多い
また、大企業の場合には人数が多く、部署や配置換えなどで様々な人に出会う機会があるでしょう。そのことで人間関係の悩みも出てくるケースはあるでしょうが、中小企業の場合には少人数なので毎日顔を合わせる相手も決まっており、そこで人間関係に悩むことになれば仕事が苦痛に感じる可能性があります。
さらに大企業と違うのはイメージ戦略の必要性が薄く、立地条件などもあまり良くないケースもあるようです。
しかも長年勤務してきた社員で固定されていると、社員の高齢化が進み若い人材を雇うハードルが高くなってしまいます。
働く人の考え方も今は違う?
現在リタイアしている世代の人たちは、勤勉さや責任感、そして充実性が高く、現在ではブラック企業だと言われるような仕事でもこなしていました。それが高度経済成長期を引っ張ることができたことに繋がっているのでしょう。
企業も終身雇用というリスクの高い雇用形態を取れたのは、そのような状況があってこそかもしれません。
しかし今は時代の流れで、自分のやりたい仕事ではないという理由や、定時で帰宅できない、賞与が少ない、仕事がきついと様々な理由で職場を退職してしまいます。
中小企業が抱える雇用のリスク
雇用は一定期間で雇用した社員が辞めないことを前提に成り立つ契約ですので、人材の募集から採用、教育という流れを得て、それまでに費やした時間やコストを超える収益を生むことができれば採算が合うことになります。
これが途中段階で辞められてしまうと、それまでかけた時間やコストを無駄にすることになります。今その状態を繰り返している中小企業はとても多いと言えるでしょう。
雇用の在り方を変える必要がある?
しかし時代の変化などを理由にしても社員が辞めてしまうことは改善できませんので、改善するためにはその時代に対応できるように経営者が変わるしかありません。
これまでと同じ雇用形態を続けていても人は長続きしないことを理解していくようにしましょう。