海外展開する際は必ず取引先の与信チェックを行いましょう

日本国内の市場成熟による売り上げの低迷や、インフラ整備による海外展開のハードルが下がったことにより日系企業の海外展開は年々増加傾向にあります。
輸出や輸入、海外に拠点を作るなどひとえに海外展開といっても様々な方法がありますが、どの方法をとっても海外企業との取引は発生します。
そこで今回は海外展開を行う際に必ず行うべき取引先の与信チェックについて解説させていただきます。

信用調査の必要性は年々増している

ビジネスにおいて信用は非常に重要で、あらゆる取引が信用で成り立っているとも言えます。製品を先に納品し後から金額を請求するなどは一般的に行われていますが、もし仕入れた企業が支払いしなければ納品した企業はお金が得られず場合によっては会社が潰れてしまうかもしれません。
このように日本国内におけるほとんどの取引は信用取引によって行われていますが、そのためには事前に相手企業の財務譲渡を見極めるなどの信用調査が必要になります。
そして、海外展開を行う際はこの信用調査がより重要になるのです。
理由は大きく2つあります。
一つ目は、日本が圧倒的な技術国家でなくなったことがあります。
ビジネスにおいて主導権が握れていれば、こちら側に有利な条件で契約を締結させることが可能です。
支払いの部分で言えば、前金やLC決済などが有利な条件と言えるでしょう。
以前は技術を持った日系企業が海外企業と取引を行う際に、このような条件で契約する事は可能でした。
しかし、近年中国や韓国などが技術を身につけた事で競争が激化し、このような有利な条件での契約締結が難しくなってきているのです。
二つ目は、海外の取引先が変わってきていることがあります。
例えば、以前であれば中小企業が海外に輸出しているといっても、その輸出先は結局日系企業が作った現地法人などが多かったのです。
しかし、最近では日系の現地法人もコスト削減や競争力をつけるために現地企業から仕入れることが増えており、現在の輸出は完全な海外企業に向けてというケースが増えてきているのです。
そのため信用調査はより重要になっているのです。

海外信用調査会社を活用しよう

では、実際どのように信用調査を行うのでしょうか。
おそらく多くの場合は自分で行う、もしくは知り合いのコンサルタントにお願いするなんてことが多いのでしょうか。
もちろんそれも良いですが、一番良い方法とは言えないかもしれません。
なぜなら、海外企業の情報を集めるのは非常に難しいからです。
例えば、個人でも可能な方法としては、
① ホームページを確認
② 企業ヒアリング
③ 登記情報
④ (上場していれば)株式市場の情報
などがあります。
中でもホームページでチェックする事は非常に簡単ですが、欲しい情報はほとんど書いていません。
与信管理を行う上で欲しい情報は、財務情報や支払い情報です。
そういった情報は企業ヒアリング等でも得る事は難しいのです。
そのため、現地企業を調査する際は海外信用調査会社を活用するべきでしょう。
調査会社を活用することで、コストはかかるものの最も効率的に欲しい情報を集めることができます。
もし、ここでのコストをケチってしまい間違った選択をしてしまった場合は、それ以上のコストを支払う必要が発生する可能性が十分にあるのです。

海外信用調査会社を使うメリットは?

海外信用調査会社を活用すれば、最も効率的に欲しい情報が得られると先ほど書きました。
では、実際どのような情報が得られるのでしょうか?
もちろん調査会社によって詳細は異なりますが、一般的な項目として、上場区分・資本金・事業内容・取引銀行・従業員数・売上高等があります。
また、場合によっては商業・不動産登記簿情報や企業ヒアリングまで実行する調査会社もあります。
これらの項目を見てもお分かりいただけるように、明らかに自分で検索してホームページで得られる情報よりも濃い、意味のある情報が出てきます。
しかし、これらの出てくる情報はあくまでの国によってばらつきがあります。
ベトナムやタイは比較的簡単に詳細情報が得られる傾向にありますが、その一方でインドネシアなどは難しいようです。
そのためあなたがどこの国の企業と取引を行おうとしているかにより、しんようかいしゃから得られる情報の濃さに違いが出る事はあらかじめ把握しておくべきでしょう。

コストをかけてでも信用調査は行うべき

これまで信用調査の重要性について解説させていただきましたが、
先ほどあげた項目を見て、「そんな情報だったらコストをかける必要がない」と思う方も一部いらっしゃるでしょう。
しかし、海外展開は成功した際のメリットが大きい分、失敗した際のダメージも大きいと言えます。
つまり、信用調査は少しでも負ける確率を下げるための予防策ということです。
逆に言えば、信用調査の結果、問題ない企業だった場合は安心してアクセルを踏むことができます。
そうすることでより大きな成果を出せるかもしれません。

海外展開の失敗により国内事業の調子も崩してしまうなんてことも少なくなりません。そうならないためにも取引先の与信管理は徹底して行うようにしましょう。

用語集

リスクの眼鏡では、記事に関する用語など簡単に解説したページを開設しております。

用語集のページはこちらへ
 

関連記事

こんな記事も読まれています

マイナス金利時代突入!今後の企業の資産運用方法は?... メガバンクの口座維持手数料導入は本当?噂? 日銀のマイナス金利政策への対応手段として、大企業な...
経営者と保険/経営者に関わるリスクと保険(重大疾病)... 現在経営が経営者の信用、そしてと手腕で成り立っているなら、取引先や金融機関が信用を判断するための材料...
5G時代が到来すると、社会はどの様に変化するのか?... みなさんは、”5G”という単語を聞いたことはありませんか? 最新技術の中でも、注目を集めていますの...
M&A/MBIとMBOとは何か? 企業の買収や合併をあらわす言葉には様々なものがありますが、それぞれどのような意味を持つのか理解してお...
企業の「デジタル化の遅れ」に危機感を!... 野村総合研究所で行った企業のデジタル化に対する意識調査によると、現在日本企業ではIT技術を活用するな...

話題をチェック!

  1. 2019-5-24

    自然災害に対するリスクマネジメントの方法とは?

  2. 2019-4-5

    定款の目的に定めていない事業は行えない?

  3. 2016-12-7

    リスクの多様化で倒産急増中!?危ない企業の見分け方とは?

  4. 2016-12-4

    業務が中断すれば倒産危機!運送業の経営管理はBCPが重要

  5. 2016-12-3

    マイナンバー制度のデメリットとは?倒産リスクを抱える?

ページ上部へ戻る