在留資格「経営・管理ビザ」厳格化とは??

その他

外国人が合法的に日本で滞在して活動するために必要となるのが在留資格で、29種類あるうち「経営・管理」が厳格化されたのです。
2025年10月からは、新規取得や更新申請の要件が従来とは大きく異なるようになったのですが、具体的にどう変わったのでしょうか?
経営・管理ビザがどう厳格化されたのか、解説します。

2025年の在留資格の改正の影響

2025年10月に外国人の在留資格の1つである通称「経営・管理ビザ」の要件が改正され、新規取得だけではなく更新も厳格化されたのです。
しかし、実はいきなり改正されたというわけではなく、正式に施行される前に先行して厳格化されて10月16日に正式な変更と2段階に分けて行われました。

先行して厳格化されたのは2025年7月10日からで、実務レベルで更新審査の厳格化が進められていたのです。
更新申請に原則提出が必須となる書類が増え、具体的にどのような活動を最近行っていたのかを具体的に説明する文書が必要になりました。

また、前回の在留申請時から変更がある場合は理由について説明する文書も提出しなくてはならなくなったのです。
従来であれば、登記簿謄本や決算書類を揃えれば比較的スムーズに更新できるケースもありました。

しかし7月以降は会社が形式的に存続しているかどうかではなく、経営者本人が実際に行ってきた経営活動の内容が問われるようになったのです。

続いて2025年10月16日から施行された内容として、新たに在留資格を取得するための要件が更新する際も必須になりました。
資本金の要件は500万円以上から3000万円以上になり、新たに経営者の適格性という基準も設けられたのです。

また、雇用要件も新たに設けられて常勤職員を1名以上雇用することが義務化され、日本語能力も問われることになります。
事務所は今まで条件付きで自宅兼事務所でも可だったのですが、変更後は原則不可となり専有性のある事務所が必須となったのです。

事業計画書は申請者が作成すれば問題なかったのが診断士や税理士などの専門家の確認が義務化となり、証拠も数値の整合性や時系列の一体性が必須になりました。
特に重大な変更となったのが資本金要件で、以前の6倍になったことで厳しいと思う人もいるでしょう。

いきなり資本金を増やすのは厳しいという声もあるため3年間の経過措置が設けられているのですが、3年あるからといって漫然と過ごすわけにはいきません。
経過措置は施行日から3年以内に更新申請を行う既存保持者を対象としており、更新の際に新基準を満たしていなくても不許可になるとは限らない、というものです。

旧基準に該当していればいいというわけでもなく、経営状況や新基準に適合する見込みがあるかなどを踏まえて総合的に判断されます。
3年間は今のままでも問題ないと誤解されやすいのですが、経過措置は今後新基準に適合するように動くかどうかが問われることになるのです。

資本金を増額する計画内容や常勤職員の採用、日本語能力を向上させる取り組医などの準備の実態や実現可能な計画性などが必要となります。
もし実現に向けた動きや実現が難しい計画などの判断がされた場合は、経過措置の期間中の更新でも認められない可能性があるのです。

経過措置が過ぎてしまえば完全に新基準へと適合することが原則必須となるため、3年という時間は猶予ではなく移行期間と考えましょう。

更新審査に向けて

経過措置の期間中に更新を申請した場合、審査官はどのような点を審査しているのでしょうか?

まず見られるのが活動内容説明書の具体性で、具体的にどのような業務に携わっていたのかを文章として記述しなくてはいけません。
単に会社を経営していたという抽象的な記述では不十分で、経営者としてどのように関わっていたのかを具体的に示す必要があるのです。

次に申請者本人の実質的な経営関与度が見られ、名義だけで実務は他の人が行っているという場合は許可を得られません。
実際に経営者として意思決定を行い、事業を主体的に動かしている事実があるかという点が問われます。

公租公課の履行状況も重要なポイントで、税金・社会保険・労働保険の加入・納付状況の確認があるのです。
もし税金などの滞納がある場合は、滞納を解消するためにはどうすればいいのか改善計画の提示が必要になるかもしれません。

前回の申請時から変化がある場合などは、なぜ変わったのか変更に至るまでの経緯も含めて書類に明記する必要があるのです。
変更があることは仕方がないものの、説明なく変わっていると審査が長引くこともあり不許可のリスクも高まります。

経過措置の3年間をどう使うかが次回以降の更新の可否を大きく左右することになるのですが、具体的にどのような取り組みが必要となるのでしょうか?

まずは現状の要件充足状況を棚卸しするため、新基準の5つの要件を現在どこまで満たしているかを整理しましょう。
現時点で足りているものだけではなく、足りていないものが何か、どれだけ準備する必要があるのかも把握することが取り組みのスタートです。

特にハードルが高いポイントとして、資本金の増額と条件を満たす常勤職員を確保する確保があります。
簡単にできることではないため、年単位での計画として今後取り組んでいく必要があるでしょう。

次回更新に備えて、経営者としての活動記録を日常業務に組み込んで日頃から残す習慣をつけましょう。
実際に行っていた業務の具体的な内容について記録しておくと、申請時の大きな強みになるのです。

事業規模や業種、資本構成、在留歴など、個別の状況によって必要な対応は大きく異なります。
まだ時間があるからと先延ばしにするのではなく、早めに行政書士へ相談して自分のケースに合った対応策を把握しておくべきでしょう。

まとめ

在留資格の1つである経営・管理の要件が改正されて、従来の基準よりもかなり厳しくなったことで今後の更新に不安を抱く人も多いでしょう。
特に大きく変更されたのが資本金湯圏で6倍になっており、経営者にも経験や修士号が求められるようになり常勤職員も1名以上いなくてはならなくなりました。
3年の経過措置があるものの、なるべく早く準備しておかなければ間に合わなくなる可能性があるでしょう。