近年は、購入した商品が届けられる際に非対面や留守でも荷物を置いて行ってもらえる、置き配というサービスが人気です。
近年利用する人も増えているサービスで、購入者以外にもメリットがあるのですが、デメリットもあるため注意が必要です。
置き配のメリット・デメリットについて、解説します。
主なメリットについて
一般的に、宅配では玄関を開けてもらい、購入者に荷物を直接渡して配達完了となることが多いのですが、留守などで再配達になるとコストや手間も増えるでしょう。
近年利用者が増えつつある置き配は、指定された場所に荷物を運んで置いておき、購入者が都合のいいときにとりに行くというサービスになっています。
指定場所は専用の宅配ボックスを用意するケースもありますが、玄関のドアの前やコンテナの中、ガスメーターの中、倉庫内などが指定できるのです。
近年では共働きの家庭が増えたため、荷物が届く時間に不在となることが多くなったため、ライフスタイルの変化に伴って必要性が高くなっています。
また、物流業界では近年、EC市場規模が拡大し宅配便の個数が増加しているため、トラックドライバーも不足しがちです。
置き配を利用することで再配達の件数を減らすことができるため、配達の効率を高めることにつながります。
購入者にはもちろんメリットがあるのですが、実際にはEC通販の事業者や荷物を運んでくる配送業者など、それぞれにメリットがある方法です。
購入者にとっては、たとえ留守でも荷物を置いて行ってもらえるため、配達が来る時間帯に自宅で待機している必要がありません。
また、多忙で手が離せなかったり、不在が多かったりする人でも、再配達を繰り返す必要なく荷物を受け取ることができるのです。
いちいち対面する必要なく荷物を受け取ることができるのもメリットで、特にコロナ禍では置き配が普及する要因の1つになりました。
チャイムを鳴らされないため、乳幼児が目を覚ましたり犬が吠えたりするのを防ぐこともできるというメリットもあるのです。
EC通販事業者が置き配によって得られるメリットとしては、まず利便性が高まるため顧客満足度の向上につながるという点があります。
レビュー内容も好意的になりやすく、リピーターになる可能性も高くなるというのが大きなメリットでしょう。
また、近年ではかなり少なくなりましたが、置き配に対応していない同業他社と比べて購入者の利便性が高いため、選んでもらいやすくなります。
対応していない競合ECサイトと比較したときのアピールポイントとなるため、売り上げアップに期待できるのです。
配送業者にとっては特にメリットが大きく、大きな問題となっている再配達が不要になります。
再配達は時間のロスと人件費のロスにつながり、配達時の燃料消費を削減できるためコスト削減にもなるのです。
EC市場が拡大している現代では、物流量が増えているにもかかわらず人手不足となっているため、効率よく配達できるようにする必要があります。
置き配は対面での受け渡し時間も短縮することが可能なので、配達の効率もよくなるというメリットがあるのです。
置き配のデメリットと注意点は?
置き配は様々なメリットがあり、利用者も増えているサービスなのですが、デメリットもあるので注意して利用しましょう。
デメリットとして、まず対面での受け取りとは違い名前の確認ができないため、誤配達になってしまう可能性があるのです。
誤配達になってしまう原因には、配送業者のミスばかりではなくEC通販事業者の住所記載ミスや、購入者の住所入力ミスなどもあります。
お届け先を間違えて発送した場合、配送業者も気が付かずに記載された住所に届けてしまうこともあるのです。
再送する場合の手続きには手間がかかるため、誤配達があると顧客満足度の低下につながってしまうかもしれません。
誤配達が発生してしまったときにどう対応するか、あらかじめ配送業者と話し合っておく必要があるでしょう。
また、置き配にしたときの保管場所が玄関前など屋外に置いておく設定になっている場合は、盗難に遭ってしまうリスクがあります。
鍵の付いた宅配ボックスに入れてある場合は問題ないのですが、ない場合は商品が届いたらすぐ家の中に運ぶ必要があるでしょう。
なかなか回収できず外に置きっぱなしになってしまうと、盗難されてしまうリスクが高くなってしまいます。
また、誤配送で届け先を間違えてしまったうえ発覚しても返してもらえないというケースも考えられるため、事前に注意を呼び掛けておく必要があるでしょう。
置き配は屋外に商品を置くため、土や埃、雨などが付着して商品が汚れてしまう可能性もあるでしょう。
対策としては、鍵のかかる置き場所を用意するよう提案したり、梱包を工夫したりすることなどがあります。
また、ECサイト側で置き配による配達を禁止しているものもあるため、置き配を希望する場合は注意する必要があるでしょう。
特に、劣化する可能性がある食料品や医薬品、盗難されるリスクが高い高額商品などは、置き配を避けるようにしてください。
置き配の注意点
置き配は対面での配達では起こらないようなトラブルが起こることもあるため、あらかじめトラブルが起こった場合の対処について配送業者に確認した方が良いでしょう。
盗難に対しては、基本的に購入者の自己責任となるため、配送業者に連絡を取って相談する必要があります。
ただし、指定の方法から勝手に変更されていたり、そもそも発送した形跡がなかったりするとトラブルになる可能性があるため、注意が必要です。
日本郵便のように盗難が起こったら保険金を受け取ることができる置き配保険に加入している事業者や、Amazonのように盗難を保証してくれる事業者もあります。
まとめ
置き配というのは、あらかじめ指定された場所に届けた荷物を置いて配達完了とする配達サービスのことで、近年利用者が増加しつつあるのです。
置き配を利用すると、購入者は受け取り時間に自宅で待機している必要はなく、ECサイトは顧客満足度の向上につながり、配送業者は無駄を減らすことができます。
ただし、誤配送や盗難のリスクがあり、商品が汚損してしまうこともあるなど、デメリットもあるのです。