会社が倒産した場合、従業員の未払い給料はどうなる?

会社が倒産すると従業員は解雇されることになるでしょう。

突然会社の倒産と解雇を告げられてしまうと、従業員にとってはかなりのショックを受けることになってしまいます。

この時の従業員の反応はそれまでの経営者の姿勢が如実に反映されることになりますが、例え業績が悪くても従業員と最低限の信頼関係が維持できていれば理解を得やすいこともあります。

それでも従業員やその家族に大きな影響を及ぼすことになるため、突然倒産してしまうことだけは避けなくてはなりません。

会社が倒産した場合の従業員の給料や退職金の扱い

倒産するということは支払い不能に陥った会社が財産を全て金銭に換え、法に従う順位と方法に従って債務を債権者に支払っていくというものです。

従業員の未払いの給料や退職金も債権に該当しますので従業員も債権者の1人となります。

未払い給料や退職金の優先順位

法律では債権の種類ごとに優先度や支払い方法が定められていますが、従業員の未払い給料や退職金については税金などと同様の優先性が認められています。

破産手続開始前3か月間の給料と、その相当額の退職金は配当手続きによらず優先的に随時破産管財人から支払いが行われます。

ただし会社にお金がないと支払えないことも

従業員の未払い給料よりもさらに優先度の高い債権には、破産管財人の報酬など破産手続きを行う上で不可欠になる費用があります。

財産を全てお金に換えたとしても優先される債権の支払いに充てた場合、残りがなければ税金など優先度が同じ債権と額に応じて案分した分が支払われることになります。

その他の未払い給料の扱いは?

破産手続開始前3か月間の給料とその相当額分の退職金以外の未払い給料や退職金については、優先度が一段下がり配当手続きの中で支払われることになります。

一般の破産債権よりは優先して配当されるのですが、やはり残りのお金がなければ全額の配当されないことになるでしょう。

未払い給料の支払いは財産の換金の額次第

結局のところ会社が倒産してしまった場合に従業員に未払い分の給料や退職金が支払えるかどうかについては、会社に残った財産をどのくらい換金できるかが重要となります。

ただし従業員が未払い給料を受け取る方法としては、他にも労働健康福祉機構が行っている未払い給料の立替払い制度などがあります。

労働健康福祉機構の立替払い制度とは

労働者健康福祉機構では未払賃金の一部を回収することが可能な制度を設けています。

この制度は、会社が倒産したことで賃金が払われずに退職した労働者に対して一部を立替えて支払ってくれるものになっています。

会社が倒産すると様々な人に影響が

会社が倒産してしまえば従業員の将来にまで大きく影響します。

給料が支払えなければ生活に直結するため、会社や経営者だけでなく従業員やその家族まで路頭に迷わす可能性があるということを十分に認識しておく必要があるでしょう。