ビジネスの場でアンコンシャス・バイアスによる悪影響

その他のリスク

近年、ビジネスの場において悪影響をもたらすものとして、アンコンシャス・バイアスが注目されています。
しかし、これにどのような悪影響があるのかを知らなければ、改善することは難しいでしょう。
ビジネスの場では、どのような悪影響があるのかを解説します。

アンコンシャス・バイアスとは?

近年、ビジネスにおいてアンコンシャス・バイアスというものが注目を集めています。
これは、「無意識の偏見」といった意味があります。
当たり前のことと思って、意識していない考え方の中に潜んでいる偏見のことを、こう言っているのです。

例えば、日本では昔から女性が社会に出ることをよしとしない風潮がありました。
今でこそ男女平等が当たり前になり、雇用機会も均等になるようにしていますが、昔は女性が家にいることが当たり前だったのです。

その後、働く女性が出てくるようになった時も、それが特別だったからこそOLやキャリアウーマンといった呼び方をしていました。
そして、女性が働くことが当たり前になった今でも、女性は家にいるものという考えを残している人は少なくありません。

こういった人は、女性に対して無意識に偏見を抱いています。
年配の男性には特に多いのですが、中には親からそう教え込まれた女性が同じ女性に対しても、同じような偏見を抱くことがあります。

アンコンシャス・バイアスによってこのような偏見を抱くことは、少なくないのです。
男だから、女だからという性差による偏見は、多くの人が持っているでしょう。
そして、その人にとっては当たり前のことなので、偏見とは思い至らないのです。

ビジネスにおけるアンコンシャス・バイアスとは?

ビジネスシーンも、昔と今ではかなりの違いがあります。
管理職に就く女性も増え、海外から働きに来る人材も多くなっています。
また、正社員以外にも非正規社員や短時間労働者など、働き方も多様化しています。

労働人口の減少に伴い、人材不足となった企業が高齢者の再雇用をすることもあります。
働き方の選択肢として、ノマドワーカーや在宅ワーカーも増えています。
また、セクシャル・マイノリティーであるLGBTQ+も、広く周知され職場でカミングアウトすることもあります。

こういった、働く人の属性や働き方が多様化しているダイバーシティが、近年は加速しているのです。
世界中で注目されているSDGsの目標にも、ジェンダー平等や不平等の撤廃などが含まれています。

ビジネスシーンでは、昔から女性に対する偏見がありました。
お茶くみやコピーは女性の仕事という考えだけではなく、女性には重要な仕事を任せることができない、女性はすぐに結婚して退職する腰かけ入社だといった考えもあります。

こういった考えは、今となっては古いものです。
今でこそあり得ないと言えるものでも、昔は当たり前の考えだったのです。
そして、こういった考えを持っている人は、少なからず残っているのです。

こういった考えは、当然ながら年配の社員に多いものです。
これが当たり前の時代から残っていて、頭を切り替えられていないのです。
しかし、若い社員でも同じような考えをする人もいます。

それは、例えば上司のそういった考えに触れ続けてきた結果、そう思うようになったという人がいます。
また、家庭環境として親のそういった考えに触れてきたため、そういった偏見が助長されてきたというケースもあるでしょう。

外国人に対しての偏見も、根強いものがあります。
今はグローバルの時代であり、海外旅行も簡単に行けるようになっていますが、かつては海外旅行が特別なものであり外国人もずっと少なかったのです。

外国との接点が少ないとどうなるのかといえば、実態を理解しないまま思い込みだけで判断するようになるのです。
例えば、海外から日本には出稼ぎで来る外国人が多かった頃は、外国人といえば学がない、言葉もろくに覚えない、不潔といった印象を持つことが多かったのです。

その結果、外国人には重要な仕事を任せることができない、逐一命令しないと動かないといった偏見ができてきました。
そうして、今もビジネスシーンでは外国人に対して拒否反応を示す人がいるのです。

どんな悪影響があるのか?

まず、アンコンシャス・バイアスというのは偏見です。
偏見を持つということは、自分の視野を狭くするものです。
それでは、ビジネスチャンスを逃すことになるでしょう。

例えば、女性は仕事をするべきではないという偏見を持つ人が、取引先の女性管理職と話をした時、自分の偏見に基づいてその人の仕事をバカにするような発言をした場合、どうなるでしょうか?
その女性に決定権がある場合、取引をしたくないと思うでしょう。

これは、何もその人の評価にだけ影響するわけではありません。
そのような人を会社の代表として取引の話し合いに出したのですから、会社の総意としてみなされてもおかしくはないのです。

また、今は海外の企業と取引をすることも増えています。
その中で、外国人に偏見を持っている人が話し合いに参加した場合、相手に悪い印象を与える可能性が高くなるでしょう。

性的マイノリティに対して、偏見を抱く人もいるでしょう。
これは、自分に対してどのような影響があるのかを考えるのではなく、マジョリティとは違うことで気持ち悪いと思ってしまうのです。
優秀な人材が性的マイノリティだった場合、その人を失ってしまう可能性があるという点で悪影響があります。

アンコンシャス・バイアスには、いくつかの種類があります。
例えば、正常性バイアスは情報やデータの中から都合のいいものだけを信じて、眼の前にある問題や危機から目を背けることを言います。

賛同者が多い、自社ではこのようなやり方をしているといった理由で、周囲に同調して他社に同調を強いることは、集団同調性バイアスといいます。
日本人には、特に多いと言われているものです。

他にも、固定概念を肯定して偏見を持つステレオタイプバイアスや、自分の意見を肯定するデータなどに限って信じる確証バイアス、目立っているポイントだけに注目して判断してしまうハロー効果などがあります。
こういったバイアスには、注意しなくてはいけません。

まとめ

ビジネスにおいて、アンコンシャス・バイアスがいい結果をもたらすということは、ほとんどありません。
ほとんどの場合、悪影響を及ぼすことになるのです。
偏見を持っていると、正しい判断を下すことが難しくなってしまいます。
それは、ビジネスにおいて大きな損失につながってしまうでしょう。
アンコンシャス・バイアスが自分にはないかを考えてみて、あるようなら早く改善するよう努めることをおすすめします。