大阪都構想で知って欲しいこと

突然ですが、みなさんは大阪都構想についてどのような意見を持っていますか?
この話題は他県民からすると何が問題になっているのか、あまりピンとこない人もいるかもしれません。
ですが、大阪市民でなくとも、みなさんには是非知っておいて欲しいことがあります。
今回は、大阪都構想についてお話ししましょう。

大阪都構想で議論されている内容をおさらいしよう

「大阪都構想」の表題からも、大阪府が「都」に変わるということは、誰でも知っている内容でしょう。
ですが、それ以外の内容についてはどうですか?
何が問題となっているのか、どのような構想なのか、説明ができるひとは少ないかと思います。
ここでは、基本的な内容を少し押さえておきましょう。

・大阪都構想とは
・構想がされるようになった原因とは?

これらは、大阪府や市の政治に関わる部分です。
一つひとつご説明しましょう。

・大阪都構想とは
そもそも大阪都構想とは、現在の大阪市を4つの特別区に分割し、大阪府と特別区における役割をはっきりさせるための体制になります。
類似の例としては、東京都23区が挙げられるでしょう。
23区のような形に大阪市が分割された場合、1年間で約1100億円の財政効率効果が期待できると考えられています。

その結果、浮いた財源で住民サービスの拡充等が行えると、プラスの効果を生むと説明されているのです。
その地域に住んでいる人にとって、住民サービスの充実度は重要な指標になりますよね。
従来までとは違った形でよりよい暮らしができるようになる、このような期待を抱いている人もいるでしょう。

・構想がされるようになった原因とは?
一方で、大阪都構想が議論されるようになったきっかけは、大阪府と大阪市における二重行政にあります。
実は、大阪府と大阪市で行っている行政の中には、重複している業務があり、何かを実施するにしても両者の見解を調整することが求められていました。

迅速な決定が求められている案件の場合、意見の調整を行っている時間がない時もありますよね。
その結果、新規事業計画の進捗が芳しくないこともあったのです。
これでは、住民サービスだけでなく、魅力的な大阪を実現することが難しいですよね。
大阪府と大阪市の政治システムを見直し、住みやすい自治体を作るために、主張されている体制だと考えて下さい。

ここまでで概要を知ると、そこまで悪い話でないと感じる人がいますよね。
ですが、大阪市民からはあまり良く思われていない事実があるのです。
一体、なぜなのでしょうか?
前提知識を学んだ上で、議論の本質に迫っていきましょう。

大阪都構想を深く理解する上で知っておいて欲しいこと

ここからは、大阪都構想がどのような形で住民に影響するのか、という視点からご説明したいと思います。
理解する上で重要となるポイントは、次の4つです。

・可決されても「府→都」にはならず、市が廃止されること
・体制変化によって浮いたお金の行方
・東京都と大阪府の違い
・東京都のように大阪もなれるのか?

もしかすると、記事を読んで思っていた理想と違ったと感じる人がいるかもしれません。
2度目の住民投票は、2020年11月1日と間近に迫っていますよね。
投票に関わりがない自治体の方も、日本で起こっている問題の一つとして理解しておきましょう!

・可決されても「府→都」にはならず、市が廃止されること
1つ目のポイントは、多くの人が「府→都」になった際に、大阪「市」が廃止されることを知らない部分にあります。
行政的な区分が変わるだけで、大阪市としての扱いは変わらないと認識している人が多いのですが、これは間違いです。
大阪「市」は、構想が実現すると廃止されますから、今まで通りの考え方では本質を捉えていないことになりますよね。

特別区に分割された場合、区ごとの財源の違いでサービスに違いが出てしまう可能性があります。
例えば、ある区では税収が良く財源があるが、別の区は財源が少ないということが考えられますよね。
今までは、大阪市として地域の財源バランスを整えていましたが、今後は調整が難しくなるでしょう。
最悪の場合、区によって提供される行政サービスの質が違うということにもなり兼ねません。

そのため、日常が劇的に変化する、東京都と同じ「都」になれると安直に考えるのは間違いだということに気付けるでしょう。

・体制変化によって浮いたお金の行方
2つ目は、体制が変化することで財源の効率化ができるという点になります。
よく議論の中では、行政機能の効率化により、浮いた財源が発生するという話題を聞きますが、本当にメリットばかりなのでしょうか?
確かに、財源の捻出には繋がるのですが、その分が住民に還元されるとは言い切れないのです。

実は、浮いた財源が市外に流出する可能性があり、大阪市民に今以上の還元がなされないのではないかと懸念されています。
今回の議論の中心は、大阪市民でないのかと思いますよね。
ですが、大阪府における大阪市民の割合を見てみると、3割程度しかありません。
つまり、府の立場からすると、全体の数割しかない大阪市民を大切にするより、他の市民を大切にした方が良い場合もありますよね。
そうなると、特別区化されて確保できた財源が他市に流出することがあり得るでしょう。

この疑問に対して、構想内では郊外での流出に関する記載はありません。
ですが、特別区や府の議会の状況によっては、都合の良い理由をつけて財源の流出が現実になってしまうことがあり得ますよね。
下手をすると、特別区であるにも関わらず、様々な事情から財政が苦しいという問題を抱えてしまう恐れがあります。
以上のことから、体制変化をプラスとして捉えるのはどうでしょうか?

本当に住民に恩恵が還元されるのか、それが明確にならない限り、納得できないと考えるのは当然です。
このことは、政治家のちょっとした思惑で流れが変わってしまいますから、疑念が生じるのも無理はないでしょう。

・東京都と大阪府の違い
3つ目は、現在唯一の「都」である東京都と大阪府の違いになります。
ここでは、東京都がなぜ現在のような行政システムになっているのかについて、簡単に触れたいと思います。

そもそも東京都の行政システムは、戦時中に作られたものであり、中央集権を徹底するために導入された経緯があります。
ですが、このシステムが現在も馴染んでいるのかというと、そうでもありません。
23区民、東京都民であっても、東京市がないのは損だと考えている人が多いのです。
このような事実は、大阪府だけでなく全国にありますから、システムを変更すれば東京のようになれるとは言えませんよね。

・東京都のように大阪もなれるのか?
議論の中には、大阪も東京のように中心都市になれると主張している内容があります。
ですが、東京が発展しているのは、明確な理由があるからです。
その理由は、日本の首都であり、インフラの中心地であることでしょう。
これは、他の自治体には見られない特徴になりますよね。

確かに、大阪府は関西の中心地的存在ではあります。
しかし、日本全体で見ると、東京を超えられる自治体であるかというと、そうではないですよね。
日本の政治、経済システムが一極集中であるからこそ、発展していると言えるでしょう。
東京のように発展できる、これは飛び過ぎた理想論だと言えますよね。
極端な理想論の是非が、大阪市民に問われているのだと考えて下さい。

まとめ

2度目の住民投票が迫っている大阪都構想。
これは住民にとって良い話が多いように聞こえますが、実際は住民を苦しめてしまう危険性を孕んでいるシステムにもなります。
仮に、本格的な導入が決定されたとしても、メリットに限らず、デメリットの部分も市民に直撃しますよね。
本当の意味で発展に繋がる理論なのか、大阪市民だけでなく日本全体で考えていく必要があるでしょう。

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