製造業:製造業者はリコールリスクをどう考えるべきか?

7df36022a469e3b1c9cf83b310bbfd08_s

製造物はメーカーから卸売業者を経て小売店に卸し、最終的に消費者の手に渡るという流れ一般的です。
しかし製造物に欠陥があった場合には、消費者が損害を被ることとなり小売店を飛び越えて、直接メーカーに対して損害賠償責任を追及することが可能です。消費者だけでなく損害を受けていれば第三者でも責任を追及できます。

PL法でいう欠陥とは?
製造業者はリコールリスクについて検討しておく必要がありますが、リコールリスクに関係する法律にPL法があります。
PL法での欠陥とは、購入したテレビが突然火を噴いて爆発しケガをしたようなケースがあげられるでしょう。

 
小売店の責任は?
テレビを販売した小売店に対しては、民法570条で規定されている売主瑕疵担保責任での一定の範囲で責任が認められます。
ただし責任の範囲は多くの場合がテレビ代金程度で、人命や健康に関する救済にはなりません。
販売業者に過失があった場合には、広い範囲で損害賠償されることになるでしょうが小売店は製品の設計や製造まで携わっていないことから欠陥について過失責任が認められることは稀です。

 
メーカーの責任は?
欠陥品を製造したメーカーが責任を追及された場合、メーカーとエンドユーザーである消費者の間には直接的な契約関係は存在しません。
そのためこれまでのケースでは、民法で定められた不法行為責任による責任を追及されるという「過失責任の原則」による訴えが一般的でしたが、この規定によると消費者側が過失を立証しなければならないことから責任追及は困難な状況でした。
このような困難を避けるため、メーカーに無過失責任を負わせることとして設けられた法律がPL法です。

 
PL法は個人だけでなく法人も保護する
消費者を保護する目的として作られた法律がPL法ですが、欠陥品によって被害を受けたのが個人ではなく企業の場合でも保護されます。
企業が他メーカーから購入した素材や半製品に欠陥があった場合には、メーカに責任を追及することができます。
そのため企業はメーカーとしてどのような責任を負う必要があるのか、そして逆に被害者となった場合にはどのような責任追及が可能かということを理解しておく必要があります。

 
責任追及期間の制限
PL法には、被害者が損害賠償義務者を知った時から3年、製造業者等が当該製造物を引き渡した時から10年を経過した場合時効が成立する旨が規定されています。
この10年のカウントについては、物質が身体に蓄積して健康を害する損害の場合、一定の潜伏期間の経過後に症状があらわれた時点から10年として数えます。
そのためリコールリスクに備えるという意味でも、引き渡し時期や出荷時期を記録しておく必要があるでしょう。

最新の記事

関連記事

img_01 img_02 img_03 img_04 img_05 img_06 img_07
  1. 0021

    2016-12-7

    リスクの多様化で倒産急増中!?危ない企業の見分け方とは?

    中小企業の場合、売上を多数上げることだけに躍起となってしまうと、足元のリスクに掬われてしまう可能性が…

ピックアップ記事

  1. 0021
    中小企業の場合、売上を多数上げることだけに躍起となってしまうと、足元のリスクに掬われてしまう可能性が…
  2. 6600ccbc30f654464dd4e4ec37d09445_s
    経営資源が利用できず業務が中断してしまえばどうなるでしょう。トラック輸送が機能しないということは、原…
  3. 3e89e46ecdfec52624a5c46c42f28a5f_s
    マイナンバー制度導入前に国税庁が把握していた法人事業所数と社会保険の加入法人事業所数の間には、約70…
  4. 6de15d75a35569cf0bddb9321238ade1_s
    もしも大規模地震が突発的に発生して広い範囲で震度6強が観測されたとします。機械製造業の場合には、工場…
  5. 054
    地震が頻発している中で、もしも大地震が発生すれば受注先や取引先とのルートが途絶え収益に影響が出て事業…
  6. 021
    マイナンバーは国民一人ひとりに割り振られた番号です。税、社会保障、災害対策など行政手続きに使われる番…
  7. 21d1f074051f1ad6eeb2371794bf75c5_s
    企業や個人、そして年代を問わずに年金に対して漠然とした不安を多くの人が抱えています。 年金制度が破…
  8. 5c9bae65656a44f69631d657e4c1de79_s
    個人情報保護に関しての考え方や方針に関する宣言とも言えるものがプライバシーポリシーです。 個人情報…
  9. 15c9339bfaca9d5f58dc98a506def579_s
    会社の組織や運営について根本規則を定めたものが定款ですが、定款の記載事項には1つでも記載がないと無効…
  10. 53b3a0ae8bbf4ffe6902ddb31a2d881f_s
    PL法は正式名称を「製造物責任法」と言い、製品に欠陥があった場合業者の特殊な責任について定めた法律で…

話題をチェック!

  1. 0021

    2016-12-7

    リスクの多様化で倒産急増中!?危ない企業の見分け方とは?

    中小企業の場合、売上を多数上げることだけに躍起となってしまうと、足元のリスクに掬われてしまう可能性が…
  2. 6600ccbc30f654464dd4e4ec37d09445_s

    2016-12-4

    業務が中断すれば倒産危機!運送業の経営管理はBCPが重要

    経営資源が利用できず業務が中断してしまえばどうなるでしょう。トラック輸送が機能しないということは、原…
  3. 3e89e46ecdfec52624a5c46c42f28a5f_s

    2016-12-3

    マイナンバー制度のデメリットとは?倒産リスクを抱える?

    マイナンバー制度導入前に国税庁が把握していた法人事業所数と社会保険の加入法人事業所数の間には、約70…
  4. 6de15d75a35569cf0bddb9321238ade1_s

    2016-11-29

    地震災害による機械製造業のリスクとは?保険での備えを

    もしも大規模地震が突発的に発生して広い範囲で震度6強が観測されたとします。機械製造業の場合には、工場…
  5. 054

    2016-11-27

    会社が倒産したら役員は責任を負うことになる?

    地震が頻発している中で、もしも大地震が発生すれば受注先や取引先とのルートが途絶え収益に影響が出て事業…
ページ上部へ戻る