サブプライムローンとは?世界の経済に影響を与えた問題とは

2007年から2009年にかけて、世界の金融市場と経済を大きく混乱させた原因にサブプライムローンというものがあります。

サブプライムローンは、支払能力が低い低所得者を対象として高利で貸し付けを行った米国の住宅ローンのことです。

住宅バブルの崩壊は、住宅価格が上がり続けるといった借り手側の勘違いや住宅ローンでひと儲けしようという貸し手側の強欲、他にも証券化商品で儲けようという投資家と金融機関の強欲など様々なことが絡み合って起こりました。

 

米国の不動産バブルが崩壊

 

低所得者の信用度の低さを高金利と住宅の担保という仕組みでカバーしてハイリスク・ハイリターンな証券に変化させました。

世界中の投資家が様々な金融商品に組み込んだサブプライムローン証券へ間接的に投資をし、アメリカの不動産バブル崩壊をきっかけに滞納率は急増。

ついにはサブプライム問題、そしてリーマンショックに発展することになったのです。

 

サブプライムローンの仕組み

 

サブプライムローンは米国の住宅ローンの1つですが、たびたびクレジットカードの支払いを延滞するといったかなり信用力の低い人にも提供された住宅ローンです。

最初の借入金利を低めに設定して数年後には高金利になるといった仕組みになっていることから、住宅価格が上昇すれば住宅の担保価値が上がりさらに低金利のローンに借り換えることも可能とされていました。

しかし住宅価格は下落し金利負担が上昇して、多くの人が支払いを延滞しついには返済不能状態に陥ることとなりました。

結果として支払いが困難になった人たちは破産し、さらに失業者は増大。

あげくの果てには自分の家を失う人が増えて景気が大きく悪化しました。

 

住宅ローン、そして金融機関にも影響が

 

打撃を受けたのは個人だけではありません。ローンの焦げ付きが急増したことで約20社もの住宅ローン会社は経営破たんに追い込まれました。

ローン会社が倒産したことで資金を供給していた銀行も大きな損失を負うこととなり、銀行も連鎖倒産し金融収縮による経済の減速が始まりました。

サブプライムローンが焦げ付き金融不安をもたらした状態を「サブプライムローン問題」と呼んでいます。

 

サブプライムローンによる損失額は?

 

2008年3月に米財務省はサブプライムローンによって世界の金融機関は2,000億ドル(日本円で約20兆6000億円)の損失という集計を発表しています。

損失の2,000億ドルのうち、約1,000億ドルは米国の金融機関、約750億ドルは欧州の金融機関によるものです。

 

株安が世界に広がった理由

 

ヘッジファンドや欧米やアジアの金融機関は証券化商品を購入する形式で住宅ローン会社に資金を融資していました。

しかし住宅ローン会社がサブプライムローンの焦げ付きで倒産しはじめます。

住宅ローン会社が倒産していくことで損失を負ったヘッジファンドや金融機関は、その損失の穴埋めに保有する株式を売り始めました。

このことが原因で世界の株式市場では株安が広がることになりました。

 

世界の経済を悪化させたサブプライムローンの存在

 

21世紀型の金融恐慌とも言われているサブプライムローン問題は、長期的に見ればバブルの一種に過ぎないとも言えます。

異常なほど格付け依存の投資が実施されたことが原因で起こった問題ですので、正確なプライシングを行うべきだったと言えるでしょう。