2024年度は大学への進学率が過去最高を記録したため、大学入試はますます過熱してくと思う人も多いでしょう。
しかし、大学の経営には今後2026年問題というものが立ちはだかることになるかもしれないのですが、聞いたことはあるでしょうか?
大学の2026年問題とは何か、解説します。
2026年問題とは?
大学に進学する人の割合は年々増加傾向にあり、2024年にはとうとう過去最高となる62.3%を記録したのです。
しかし一方で、大学進学率の高まりよりも18歳人口の減少率の方が高いため、結果として進学者の実数は減り続けていってしまいます。
境目となると予測されるのが2026年だったため、大学への入学者数の減少問題が2026年問題と呼ばれるのです。
実際に、2024年には大学の定員充足率が100%を下回っており、大学全体の募集人員よりも入学者数が少なくなってしまいました。
大学側でも入学辞退者を想定して募集人員よりも多くの合格者を出すようになっていて、以前から大学全入時代と呼ばれていたのです。
しかし、2024年度は初めて定員充足率が100%を下回ってしまったため、大学側は今まで以上に危機感を抱く必要があります。
国公立大学と私立大学とを分けてみると、国公立大学は募集人数よりも合計5,000人近く上回る人数が入学しており、定員充足率は103.7%となっているのです。
しかし、私立大学側は募集人員に対して入学者数が16,000人以上も不足しており、定員充足率は96.7%に留まりました。
私立大学の方が数は多いため、全体の定員充足率も98.1%に留まることとなってしまい、全体や学部単位での募集停止とする私立大学、短大も増えているのです。
2024年度の私立大学の定員割れとなった大学は前年度よりも34校増加して354校となっており、未充足校は5.9%増えて59.2%にもなりました。
今は私立大学に限られていますが、今後18歳人口が減少していくスピードを考えると国公立大学の定員充足率が100%を下回る可能性も高くなるでしょう。
定員割れとなれば、難関大学にも入りやすくなっているのではないかと思うかもしれませんが、実際は二極化が進んでいるためむしろ難易度は上がっています。
定員割れとなる大学が多く、望めば誰でもどこかの大学に入ることができるといわれるようになったのですが、有名大学はむしろ競争率が高くなっているのです。
文部科学省や大学経営者は18歳人口の減少が明らかな状態でありながら大学数を増やすという方針を続け、2014年にも3校が増えています。
また、マーケットの縮小が予測されるのであれば通常は組織を小さくしていくものですが、流れに反して学部を新設するという動きが続いているのです。
与野党や地方自治体でも大学の拡大を推進しており、例えば大学無償化などは進学率をさらに上げたり授業料を値上げしたりしやすくすることが目的と思われます。
大学側に求められる変化
定員割れが増えている今、大学側も従来通りでいられるわけはなく、様々な取り組みが目立つようになってきました。
2026年度に向けて、国公立大では情報系学部やユニークな学環などが新たに設立されている様子が見られるのです。
主に新設された学部や学環として、旭川市立大学では地域創造、山形大学では教育、福井県立大学では地域政策などがあります。
長野大学では地域経営と共創情報科学、山口大学では情報、熊本大学では共創などがあり、佐賀大学ではコスメティックサイエンスというユニークな学環が新設されるのです。
私立大学でも成蹊大学は国際共創、中央大学では基幹理工、社会理工、先進理工の3つが、東京理科大学では創域情報が新設されます。
立教大学は環境、京都産業大学はアントレプレナーシップ、立命館大学はデザイン・アート、近畿大学では看護が新設されるのです。
学部などが時代に合わせて新設されるのはもちろんですが、学部の仕組みを作り直す改組も活発に行われています。
特に近年では情報や環境、分離融合など1つの専門に限らず学ぶことができる学部に注目が集まっているのです。
単に知識を暗記するだけではなく、問題解決能力やグローバルな視点に立つことを重視して新設されています。
2026年度からは入試のルールにも変更があり、まず総合型・学校推薦型選抜では小論文や面接、志望動機書などを組み合わせて早期に学科試験を受けられるようになるのです。
近年では総合型・学校推薦型選抜でも他の大学と併願することが認められる学校も増えています。
学科試験は2月1日以降に実施するというのがルールとなっているのですが、総合型・学校推薦型選抜では1月中に実施することも認められるのです。
一般選抜については1月中に実施するのはルール違反となるのですが、実際には私立大の3分の1は1月中に実施しています。
また、入学金二重払いに関しては文部科学種から私立大に対して、受験生の負担を軽減する方策を検討するよう要請があったのです。
入学金の額を抑えるか、入学を辞退する際は時期によって返還、もしくは分割払いを認めるなどの方法が挙げられています。
ただし要請に応じる私立大はわずかで、一部返還や分割払いなどを認めるのは併願の受験生のみ、あるいは国公立大進学者のみといったルールが設定されているのです。
2020年度から始まった修学支援新制度にも変化があり、給付型奨学金と授業料等減免のうち授業料減免については条件が緩和されるようになりました。
支援の条件となる高校2年次の評定平均の基準も緩くなるのですが、基準に達しないまま支援を受けた場合は進学後の成績が厳格に確認されるのです。
支援打ち切りとなる前には警告があり、警告が続くと打ち切りになってしまう他、一定条件下では給付奨学金の変換が求められてしまいます。
今後ますます大学を取り巻く環境は年々厳しくなっていくため、大学進学をあきらめる人はなるべく減らすようにするのが望ましいでしょう。
多くの人が学びの機会を得られるよう、大学側も様々な工夫が必要とされる時代になりつつあります。
まとめ
大学の2026年問題というのは、18歳人口が減り続ける中で定員充足率が低下していくことで、2024年度には全体で初となる100%割れが起こったのです。
募集停止となる大学もある一方で、学部や学環を新設する大学などもあり今後の経営方針には慎重な判断が求められます。
文部科学省からも私立大学に対しての養成などを行い支援制度にも変更があるなど、今後は進学しやすい環境が整っていくでしょう。

