卵の価格は20日に最新価格が発表されたことで、6カ月連続で1キロあたり300円を超えることとなり、家計には大きなダメージとなるでしょう。
しかし、卵の価格が高騰しているといっても、そもそも卵の価格はどうやって決まっているのでしょうか?
卵の価格が決まる仕組みについて、解説します。
卵の価格を決めているのは?
卵の価格はしばらく前から高騰が続き、6ヶ月もの間1キロあたり300円を超えているため、家計にも大ダメージとなっているでしょう。
しかし、卵の価格というのはどのようにして決まるものなのか、知らないという人も多いと思います。
お肉や魚、野菜などは市場があってセリを行って価格が決まるのですが、卵の価格はセリによって決まるわけではないのです。
そもそも価格の相場は札幌や大阪、東京など地域によって異なり、生産量や売れ行きなども価格が変動する要因となっています。
野菜や魚のように季節や天候などで生産量や品質などに変化が起こることは少ないため、注目するべき点は需要と供給のバランスです。
バランスを見て相場を決定しているのはいくつかの荷受会社で、相場の決め方については荷受相場と呼ばる方法となっています。
セリや相対取引などで価格が形成される肉や野菜などの相場は卸売相場というのですが、荷受相場は競うことなく価格が決定するのです。
荷受相場では、荷受会社が毎日発表している鶏卵相場を指標として取引する価格が決定されます。
相場を発表している荷受会社は複数存在しているのですが、中でも代表的な荷受会社がJA全農たまご株式会社です。
毎日の鶏卵相場に関しては、それぞれ荷受会社のホームページや新聞の商品欄などで発表されているため、いつでも確認できます。
決して誰かが独断で決めているのではなく、様々な要素を踏まえたうえで毎日価格を決定しているのです。
卵の価格の傾向としては、夏場には価格が下がるのですが、冬が近づくにつれて高くなっていき、特に12月は需要が高まるため卵の価格も高騰しやすくなります。
12月にはクリスマスケーキのために卵が大量に必要とされ、年末に市場が休業するなどの事情から前倒し需要が起こることもあり、需要が高まって卵も最高額になるのです。
また、卵の価格に大きく影響するのが鳥インフルエンザで、平成16年には国内で79年ぶりとなる高病原性鳥インフルエンザが起こりました。
影響を受けた卵相場は年始に突発的な不足となる状況が発生したため、相場も大幅に高騰することとなったのです。
卵には様々な種類があるのですが、レギュラー卵といわれるSやLなどのサイズで分けられている卵は、相場によって価格が変わります。
しかし、ヨード卵のような特殊な卵に関しては卵相場とは別に考えられるため、基本的には変動することが少なく固定された価格になっているのです。
卵の相場を見るには?
卵の相場を各荷受会社が発表するのは、相場が発表される日の午前9時と決まっており、ホームページ上に相場が記載されます。
発表されるのは年中無休というわけではなく、土曜と日曜、お盆期間、年末年始などは相場が発表されないのです。
発表された内容については、翌日に日本経済新聞の朝刊にも掲載されるため、新聞でも確認することができます。
卵の相場に関してはサイズ別に発表されており、現在は農林水産省規格で定められているLL、L、M、MS、S、SSの6サイズに分けて発表されているのです。
また、6サイズに加えて有色卵の取引の指標として主に用いられている特殊高値と、加工用の卵の取引指標である特殊安値も発表されています。
毎日発表されている相場を基準として、日本各地で様々なサイズ、種類の卵が取引されているのです。
とはいえ、正式な販売価格を決めているのは各小売店なので、同じところから仕入れていてもお店によって価格は異なります。
ではなぜ、現在卵の相場の高騰が続いているのかというと、原因として大きいのが鳥インフルエンザの発生です。
2025年以降、鳥インフルエンザは日本全国で40件ほど発生しており、鶏も800万羽以上が殺処分されているのです。
もちろん、鶏はすぐに増えて卵を産むわけではないため、育つまでは鶏の数が元に戻りません。
また、殺処分の後は防疫措置を行う必要があるのですが、およそ半年の間ずっと消毒作業を繰り返す必要があるのです。
消毒が終わってから新たに鶏を育てていき、卵を産むようになるまではおよそ4カ月かかるため、どうしても1年くらいは卵が不足してしまいます。
また、鶏の飼料は輸入に頼っている面が大きいのですが、近年の円安によって輸入飼料の価格はかなり高くなっているのです。
ロシアがウクライナに侵攻したことも影響しており、鶏の飼料となっているトウモロコシを含め各種の作物価格が上昇しています。
電気代や燃料代も値上がりしていますが、養鶏場でも鶏の飼育、鶏卵の選別、パック詰めなどを機械化しているため、動力となる電気代、燃料代が高くなっているのです。
もちろん生産コストを抑える努力は最大限行っているのですが、値上がりには追い付かずコスト削減の努力も限界に近付いています。
2026年の5月頃から元の価格に近付いていくと予想はされていますが、また鳥インフルエンザが発生してしまえば繰り返すことになってしまうでしょう。
卵の価格の高騰に対抗するため、飲食店では通常の卵からブランド卵に切り替えて付加価値を付けるなどの工夫をしているところもあります。
一般家庭でも欠かせない卵ですが、大量に消費する飲食店では今後戦略を練り直し、値段が下がるまで耐える必要があるでしょう。
ふつうの卵が値上がりしている今、普段なら買わないブランド卵を試してみるチャンスといえるかもしれません。
まとめ
卵の価格はセリで決まるのではなく、荷受会社が需要と供給のバランスや卵の生産にかかるコストなどを考慮して、各地で相場を決めているのです。
夏になると卵の価格は下がっていき、冬が近づくと値上がりしていくというのが一般の相場で、特に12月はクリスマスケーキに使うため高騰しやすくなります。
卵が高騰している原因には円安やウクライナ侵攻によるコスト増や、鳥インフルエンザの発生などがあるのです。

