国内や海外へと旅行に行く人は多いのですが、旅行となると交通費、宿泊費などの費用が必要となるでしょう。
しかし、宿泊税という税金については知らない、あまり意識をしていないという人も多いのではないでしょうか?
宿泊税というのはいったいどのような税金なのか、解説します。
宿泊税とは?
宿泊税というのは、宿泊者や宿泊施設を運営する事業者に課されている税金のことで、滞在税やホテル税、客室税ともいうものです。
宿泊税は国内の宿泊で必ず課される税金というわけではなく、自治体によって宿泊税が課されるかどうかが決まっています。
元々は遊興飲食税という名前で1940年に新設されたのですが、料理飲食等消費税、特別地方消費税と名前が変わりながら残っていたのです。
内容としては、7,500円を超える飲食料金、15,000円を超える宿泊料金に課される租税だったのですが、消費税との二重課税を指摘されて2000年に廃止となりました。
しかし、東京都では2002年に改めて宿泊税を導入し、大阪府でも2016年に導入したことで、同じように導入を考える自治体が増加したのです。
宿泊税は各地方自治体の条例で定められた法定外目的税ですが、対象となる施設、課税される金額は自治体によって個別に設定されています。
宿泊施設等が宿泊者から特別徴収して、各自治体へと宿泊事業者が所定の期限までに一括で納入される、消費税と同じような仕組みになっているのです。
東京都では東京都宿泊条例によって規定されており、旅館業法で定められた都知事の許可を受けて営業を行っているホテルや旅館などが対象となります。
税額は、宿泊料金が10,000円未満なら非課税、10,000円以上15,000円未満は100円、15,000円以上だと200円です。
また、一室で二人以上が宿泊する際は宿泊料金を一人当たりの料金に換算して課税額が決定されます。
近年増加している民泊施設に関しては課税対象に含まれないため、東京都税制調査会では民泊利用者にも課税することを求める意見が多く出されているのです。
大阪府では2016年から大阪府宿泊条例を施行しており、対象にはホテルや旅館、簡易宿泊所などで、2017年からは特区民泊も対象に含まれています。
税額は東京都と変わらず20,000円以上は300円としていたという違いだけでしたが、2017年度は外国人観光客が過去最高となったのに税収は見込み額を下回ったのです。
改めて大阪府内の宿泊施設の単価を再調査した結果7,200円だったため、非課税の対象は宿泊金額7,000円未満に変更し、15,000円未満までは100円と変更しました。
2024年11月には、翌年の日本国際博覧会開催後の観光振興のため、免税となる宿泊金額を5,000円に下げたうえ宿泊税を最大200円引き下げる条例改正案が出されたのです。
大阪府議会で可決となり、2025年9月1日以降は5,000円以上15,000円未満で200円、15,000円以上20,000円未満で400円、20,000円以上は500円となりました。
京都市でも2016年に宿泊税が導入され、2017年には京都市宿泊税条例が可決されたのですが、宿泊料金や宿泊税額は東京都や大阪府とはかなり異なるのです。
まず非課税となる宿泊料金はなく、20,000円未満であれば200円の宿泊税が課されることとなり、20,000円以上50,000円未満であれば500円となります。
50,000円以上になると宿泊税は1,000円とかなり高額になる点、並びに民泊も対象施設に含まれているのです。
ただし、小・中・高校の修学旅行での宿泊については、課税対象から除外すると明文化されています。
そのほかの宿泊税を導入している自治体
東京都、大阪府、京都市で宿泊税が導入されて以降、宿泊税を導入する自治体は増えているのですが、税額については各地で異なるのです。
北海道では虻田郡倶知安町では、宿泊料金の2%が宿泊税として課されることとなりました。
同じく虻田郡ニセコ町では宿泊料金5,000円までで宿泊税100円、5,000円以上20,000円未満で200円となるのです。
20,000円以上50,000円未満で500円、50,000円以上100,000円未満では1,000円、100,000円以上になると2,000円と、京都市以上に高額の宿泊税が課されます。
北海道赤井川村では、8,000円未満は非課税、8,000円以上20,000円未満で200円、20,000円以上だと500円です。
東北の青森県では弘前市にだけ導入されており、宿泊料金に関わらず200円が課されることとなりました。
宮城県では、6,000円未満であれば非課税ですが、6,000円以上になると300円の宿泊税が課されるのです。
東海地方では、愛知県常滑市と静岡県熱海市で導入され、宿泊税は宿泊料金に関わらず200円となっています。
岐阜県下呂市では5,000円未満で100円、5,000円以上だと200円が課税されますが、小学生以下の子どもは課税対象外です。
岐阜県高山市でも同様に小学生以下は非課税で、10,000円未満なら100円、10,000円以上30,000円未満で200円、30,000円以上なら300円となっています。
北陸では石川県金沢市で導入されており、5,000円以上20,000円未満なら200円、20,000円以上では500円です。
中国地方では島根県松江市だけ導入されており、宿泊料金が5,000円以上になると200円が課税されます。
九州の福岡県では福岡市以外であれば一律200円で、福岡市では20,000円未満なら200円、20,000円以上だと500円が課税されるのです。
長崎県では10,000円未満だと100円、10,000円以上20,000円未満では200円、20,000円以上は500円となっています。
また、北海道や浦安市でも宿泊税の導入を検討しており、熊本市では2026年7月から導入される予定です。
宿泊税は観光客が多数訪れる自治体で導入されており、今後も各自治体で導入する動きが活発になっていくと思われます。
各自治体での観光振興のための施策に重要な費用を賄うためのものであり、税収増加に期待できるため自治体でも観光振興に力を入れるようになるでしょう。
外国人観光客を招くことはもちろんですが、国内旅行においても魅力ある土地が増えていくことが期待されます。
旅行費用は増えてしまうこととなるのですが、費用負担が増える以上に楽しみが増えていくというのが望ましいでしょう。
まとめ
宿泊税は、導入している自治体のホテルや旅館、自治体によっては民泊も含めて宿泊客が納める税金で、宿泊施設が一括で納付することとなります。
宿泊税は東京都、大阪府、京都市をはじめ、宮城県や福岡県のように県単位で導入することもあれば、市町村ごとに導入しているケースもあり、税額も様々です。
宿泊税は観光振興の施策の費用を補うために用いられるため、各地域の魅力がさらに増していくことに期待できます。


