高市政権が発足してから3ヶ月になろうとしているのですが、世論調査では高市政権の支持率が60%以上と高い水準を保っているのです。
様々な改革が評価されたという見方もあるのですが、具体的にはどのような理由があるのでしょうか?
高市政権が高支持率を維持している理由について、解説します。
新たな保守層としての期待
高市政権が発足してから中国との関係に緊張が高まったものの、政権基盤は非常に安定しているといえるでしょう。
中国との関係が悪化した原因は、台湾有事の際の存立危機事態について具体的に述べたことが大きなきっかけとなりました。
マスコミは高市首相を批判していたのですが、SNS世論では答弁を引き出した立憲民主党の岡田氏に対して強い批判が向いていたのです。
岡田氏が批判されることになったのは、単に政権が交代しただけではなく日本の政治環境の構造に変化が訪れているということを示しています。
高市政権が高支持率となって野党が批判されている背景には、自由民主党の性格や新たな保守層が頭角を現したことなどがあるのです。
自由民主党は保守政党と呼ばれることが多いのですが、そもそものプロセスを考えると単純な保守政党とはいえません。
自由民主党は1955年に、日本社会党が頭角を現したことを危惧した自由党と日本民主党が合同して結成された政党で、様々な政党の流れを汲んでいるのです。
結党において必要とされたのは一貫した政治思想ではなく、むしろ政治思想を前面に出さないという共通点が必要とされました。
自由民主党の議員に共通しているのは基本政策に関する一致ではなく、偏った政治思想を持たないという点にあるのです。
戦後は社会主義が強い影響を与えていたため、共産党や社会党など野党やマスコミとつながり、実際の支持者以上に強い影響力がありました。
そのため、イデオロギーを嫌う日本人の多くが自民党を積極的、あるいは消極的に支持しており、長期政権を維持することができたのです。
そもそも日本における「保守」にはおかしな点があり、憲法改正は本来革新派が進めるはずなのに、日本では保守が憲法改正を担っています。
憲法は、本来であれば政治体制を守るためのものですが、現在の憲法は戦後にGHQが急ごしらえで整えたものです。
内容には当時のトレンドであったリベラルで改革的な理想主義を前面に出していたため共産党などの革新派に都合がいい内容となりました。
社会が変化するにつれて憲法も改正されていくというのが本来の姿ですが、日本では現状を守るために改正が必要となるのです。
結果として、日本では保守が憲法の改正を目指し、革新が憲法を維持して遵守するというねじれ構造になっています。
参政党や日本保守党が伸長したのは、かつての安倍元首相の支持者のうち外国人問題を不服に思っている人々を中心とした支持層がいたからです。
また、国民民主党は安倍政権の経済政策を先鋭化するという主張によって、勢力を拡大してきました。
特に注目するべき点は、野党などが自民党政権を部分的にとはいえ擁護している一方で、保守層による批判を受けているということです。
逆転現象が起こっていることで自民党内部でも危機感が広がっており、今まで公明党と連携してきた党内リベラル派の影響力は低下しています。
党内リベラル派は菅義偉氏が支える小泉進次郎氏を担ぎ出すことで体制を維持させようと考えたものの、新たな保守層からは反発を受けたのです。
結果として、より中道的と見られていた林芳正氏に支持が集まったのですが、高市早苗氏が党員の圧倒的支持と危機感を持った議員たちによって予想を覆す勝利を収めました。
戦後「大きな声をあげる」ことはリベラル派の専売特許だったのですが、SNSの登場によって保守層が大きな声をあげてムーブメントを作り出した結果だといえるでしょう。
高市政権への期待
高市政権が誕生したことで日本の政治は大きく変化し、まず公明党が政権から離れて自民党のリベラル派は孤立しました。
また、参政党や国政維新など自民党より右に位置する政党が存在していることで、高市政権は比較的「中道」に見えるようになったのです。
日本維新の会と連立することとなって右派が複数存在する状況となったことで、政策につても現実味を帯びてきました。
高市政権は、埼玉県川口市の俗にいう「クルド人問題」で明確になった外国人問題の解決を図る政権として期待を集めているという点もあるのです。
以前であれば、外国人への規制策を強化するような対策を打ち出すと、右翼政策となっていました。
しかし、自民党より強い外国人対策を求める参政党が頭角を現して日本保守党も誕生したため、排外主義に至らない管理政策として比較的中道的政策に位置づけられるのです。
変化に伴って若者からの支持も回復してきており、公明党との協調や対中政策を重視する石破政権は政策を温存するだけで何もしない政権に見えました。
一方で、わかりやすい政策を発信して実現していく高市政権に対しては何かを変えてくれる政権として期待が寄せられているのです。
また、今まで自民党に対する批判の受け皿だった立憲民主党は、SNSの切り取り動画などで代案がない批判が視覚化されたことで批判が増えています。
野党側では、維新に加えて国民民主や参政党と一部だけ連携することもできるようになり、政治運営を柔軟に行えるようになりました。
高市政権は、高市朱創の政治手腕だけで安定しているというわけではなく、かつての安倍政権による自民党の構造的変化や政党の離合集散が重なった結果でしょう。
高市政権は保守でありながら中道であると認識されたことで、野党は戦後からの対抗軸を失うこととなりました。
今のままで勢力のバランスが保たれるのであれば、高市政権は超長期政権となった安倍政権よりさらに安定政権となり得る可能性があるでしょう。
ただし、政局を見通すのは難しいため、少数与党で連立が必要な高市政権を現時点で「長期政権になる」と断言することはできません。
しかし、曽根政権や安倍政権ときとは違って一方的な批判は許されない現状であり、長期政権となる環境が整ってきています。
何らかのアクシデントによって支持を大幅に失うようなことがなければ、現状は高市首相に味方するものとなるのではないでしょうか?
まとめ
高市政権の支持率は現在非常に高いのですが、なぜかといえば新たな保守層が頭角を現したことで日本の政治を取り巻く環境も構造的に変化したという点があります。
外国人問題の解決に取り組む高市政権には多くの期待も集まっており、自民党より右に位置する政党が存在していることで中道に見えるというのも支持される理由です。
今後大きなトラブルなどが起こらない限りは、安倍政権以上の長期政権になるかもしれません。


