まだ元気だから生命保険に加入しなくてもいいと考えていても、いきなり入院することになる人は珍しくないのです。
しかし、生命保険に未加入な状態で入院することになってしまうと、非常に大きな負担となってしまうでしょう。
生命保険に未加入で入院した場合はどうすればいいのか、解説します。
なぜ生命保険に加入しないのか
生命保険については、様々な場面で見ることもあり存在自体はほとんどの人が知っていると思いますが、加入していないという人も少なくないでしょう。
生命保険の未加入者の割合を年代別に見ると、男性は20代で53.6%、30代で18.5%、40代で13.9%となっています。
女性の未加入者は、20代で42.9%と男性よりも低いのですが、30代は17.2%、40代は13.7%と男女で大きな違いはなくなるのです。
なぜ生命保険に入らない人がいるのかというと、第一の理由として日本は保険制度があって公的医療保険に加入することが義務となっている、という点があります
病気になったときの治療費の負担が基本的に3割以下となるため、治療費が安くなっていれば生命保険は不要だと考える人も多いでしょう。
また、若い人が未加入である理由として特に多いのが、自分は病気になったりケガをしたりすることがないと考えているため加入しないという点があります。
若い人ほど自分が病気になることは想像できず、周囲にも病気になる同年代の人が少ないため、必要性を感じられないのでしょう。
3つ目の理由としては、何かあったとしてもどうにかできるだけの貯蓄があるから不要と考えています。
また、病気やケガの際は様々な公的保障を受けられる可能性があるため、保障の内容を知っているとますます生命保険を不要と考える可能性があるでしょう。
公的保障としてはまず高額療養費制度があり、1ヶ月の医療費が一定額を超えると超過分が健康保険から払われるという制度になっています。
年齢や所得で限度額は異なるのですが、差額ベッド代や病院での食事代などは対象外となるため注意が必要です。
2つ目の公的保障は傷病手当金といい、病気やケガが原因で働けなくなった場合に4日以上就業不可となると支給されます。
仕事を休んでいる間の給与支払いがないことも条件の1つであり、給与の3分の2が最長で1年半の間支給されるのです。
未加入のまま入院すると?
生命保険に未加入のまま入院することになっても、様々な公的保障などがあるのですが、何か困ることはあるのでしょうか?
まず、高額療養費制度で自己負担額の上限が決まっているとしても、対象外となる項目があるため必ずしも限度額までで収まるとは限りません。
例えば、病院に入院する際は鼓室しか開いていないため、強制的に差額ベッド代を支払うことになる可能性もあるのです。
鼓室などに入院することになった場合に発生する差額ベッド代は、1ヶ月入院した場合は19万円前後かかります。
また、先進医療は保険診療の対象外なので制度の限度額にも含まれないのですが、陽子線治療は約269万円かかるのです。
重粒子線治療はさらに高額で約319万円かかり、高周波切除器を用いて子宮腺筋膜症核出術の場合も約30万円かかります。
生命保険に加入する人の多くは怪我をしたときや病気になったときの不安に備えるために加入しているのですが、他にも長期入院の医療費が心配という人もいるのです。
また、もっと手厚い保障がないと安心できないという人や、差額ベッド代が心配という人も少なくありません。
入院することで仕事ができなくなるため、収入が減ってしまうことが不安という人も多いでしょう。
傷病手当金で3分の2は支払われるものの、元々の収入がギリギリという方は医療費もかさむ中で十分な収入とは言えないかもしれません。
生命保険の特約であったり単独の契約であったりするのですが、週病不能保険に加入していると収入の減少を補うことができるでしょう。
生命保険に加入していない人の中には、十分な収入がないため毎月の保険料という出費を抑えたいという人もいます。
しかし、保険金が負担となる人は十分な貯蓄がないことが多いため、いざ入院となったときには入院費用を支払うのが難しくなってしまうでしょう。
先進医療などの高額な治療方法を選ぶこともできず、収入の減少や途絶にも耐えられない可能性があります。
生命保険に加入していれば、小さな負担で大きな保障を得ることができるため、いざというときに備えて保障の小さな保険でもいいので備えておくべきです。
また、自営業の人は公的保険制度の傷病手当金を利用できないため、入院すると収入が完全に途絶えてしまいます。
生命保険に加入して就業不能特約を付けるか就業不能保険に加入しておくことで、収入を補うことができるのです。
専業主婦、あるいは主夫であれば、入院しても収入が途絶えたとはみなされないため傷病手当金が支給されることはありません。
しかし、実際には家のことをしてくれた人がいなくなればハウスキーパーやベビーシッターなどを雇う必要があるかもしれないのです。
当然、公的医療制度の対象には含まれないため自己負担となるのですが、生命保険に加入していればいざというときの助けになってくれます。
何より、自分に万が一のことがあったときに家族を守るため、死亡時に保険金が支払われる生命保険に加入することをおすすめします。
加入していなければ、葬儀代などは全て残された家族が負担することになってしまうため、せめて葬儀代くらいは残したいと思って加入する人も多いのです。
様々な理由で加入する人が多いため、本当にいざというときにそなえなくてもいいのか、もう一度よく考えてみてください。
まとめ
生命保険は、20代などの若い世代ほど加入率が低く、30代でも10%以上が加入していなという状況です。
公的医療保険に加入していればいざというときには高額療養費制度や傷病手当金などがあるのですが、対象外となるものも多く十分な保障とはいえないかもしれません。
万が一への備えや入院に備えるだけの貯蓄がないという人、死亡時に家族を残していくという人は加入を検討した方が良いでしょう。