参政党が掲げる日本人ファーストとは??

その他

2025年7月20日に投開票が行われた参議院議員選挙は波乱の結果となりましたが、特に注目される結果の1つが参政党の議席の大幅増です。
参政党といえば、他の政党とは異なる興味を引くような政策が特徴的ですが、中でも日本人ファーストが気になる人も多いでしょう。
日本人ファーストとはどのような政策か、解説します。

参政党を支持する人の決め手

参政党を支持する人に指示している決め手は何かを聞いてみると、「日本人ファースト」という回答が最も多いのです。
日本人ファーストは、日本人を日本で優遇するという意味になりますが、そもそも日本は日本人の国なので当たり前のことかもしれません。

しかし、昨今では国際化社会に伴って外国から日本を訪れる人が増えていて、日本人は外国人をもてなすのが当たり前のように思われることもあるでしょう。
日本人の美徳の1つに謙譲の精神があり、相手を尊重して調和を重視するという考え方ですが、相手に遜ることだと勘違いされているのも原因の1つとなっています。

日本人ファーストを掲げている政党は参政党だけで、選挙公約では行き過ぎた外国人の受け入れ反対を訴えているのです。

しかし、内容をよく理解していない人たちが各地の街頭演説に「差別NO」などと書かれているプラカードを掲げて抗議する姿もありました。
参政党を支持する人の中には外国人が多すぎると感じている人も多く、外国人が優遇されていると主張している人も少なくないのです。

優遇されていると主張する人の意見としては、日本人は教育費が大きな負担となっているのに外国人は奨学金を受けているというものがあります。
また、外国人は社会保険料を支払っていないという意見や、埼玉県で起こったクルド人問題による不安などを挙げる人もいるのです。

内容は全て間違っているというわけではありませんが、情報が不正確であることや根拠がないデマが含まれていることもあります。
日本では本当に外国人が優遇されているのか、もう一度よく調べてから主張について考えてみた方が良いでしょう。

参政党が参院選で掲げた公約には、消費税減税や児童手当増額など他党とも共通する内容もありましたが、一方で独自の公約もありました。
特に注目されたのが、行き過ぎた外国人の受け入れに反対するという内容であり、日本人ファーストと呼ばれるものです。

似たような言葉にトランプ大統領が掲げたアメリカファーストという言葉もありますが、神谷党首はトランプ大統領の政治スタイルに影響を受けたと語っています。
参政党はSNSなどを活用しているため、保守的な若者の支持を集めて保守層の支持基盤を侵食することにも成功したのです。

20日の投開票の結果は、日本を取り巻く経済への影響やアメリカとの間の交渉等が苦戦している中、石破茂首相への有権者の不満が浮き彫りになった結果といえます。
自民党はかつて保守的な理念を掲げていたのですが、今は逸脱した活動をしているため、代償として参政党を始め野党に投票しているのでしょう。

今回の選挙で野党が十分な議席数を獲得できたのは、有権者が現状維持の政治にうんざりしていることを示しています。
前回の1議席から14議席と大幅に躍進した参政党は目立ちますが、国民民主党も5議席から17議席へと大躍進を遂げているのです。

参政党は議席を伸ばしてはいるものの、まだ予算案を提出できる最低限必要な議席数には届いておらず、さらに衆議院ではわずか3議席の獲得に留まっています。

なぜ移民に対して強い怒りを抱くのか

日本では、2024年末の時点で約380万人にもの外国人が暮らしており、過去最多となっているのです。
前年比では10.5%増加していますが、割合としては日本の総人口の約3%で変化していません。

2024年に訪日外国人観光客も3690万人と過去最多であり、参政党は移民に対する不満の高まりを利用して、与党の外国人受け入れ政策を非難しているのです。
経済が弱体化している国では、移民に反対するような言説が表面化することが多くなるという説もあります。

外国人観光客の一部がマナー違反や迷惑行為をして火に油を注いだ結果、外国人問題が深刻化するのです。
日本では、伝統として移民の受け入れには慎重な姿勢を示してきたのですが、少子高齢化が進鵜中で労働力確保を目的として入管制度を緩和してきました。

しかし、一部の日本人は外国人の流入を不満に思い、物価上昇や犯罪増加の原因になるとして非難しているのです。
政府は選挙を翌週に控えるタイミングで国民の不安を和らげることを目的として内閣官房に新しい事務局を設置し、外国人との秩序ある共生社会の実現を目指すと表明しました。

しかし、この対応はすでに機を逸していて、参政党が台頭してきたことで日本の政治情勢における転換点となるかもしれないのです。

日本にはこれまで、右派ポピュリスト政党や極右ポピュリスト政党は存在しないと言われてきました。

しかし、今回の選挙では日本でも存在する可能性があるということを証明したものとなっていて、今後も続く可能性は高いでしょう。
しかし一方で、日本の有権者は気まぐれなため、ポピュリズム政党が日本の政治に定着するのは非常に難しいと考えられています。

支持した政党が自分たちの期待に見合わないと思えば、有権者は既存の選択肢に戻るか、新しい代替勢力に乗り換えることになるでしょう。
参政党は他の政党とは一線を画す政策を掲げ、街頭演説では集まったアンチにもお礼を言う姿が見られている、一風変わった政党といえます。

今後、さらに考えが受け入れられて誤解が少なくなってくると、支持する人も増えてくる可能性が高いでしょう。

まとめ

参政党が政策の1つとして掲げている日本人ファーストは、日本という国の国民である日本人を国内で優先的に考えるというものです。
当たり前のことに思えるかもしれませんが、中には差別だと訴える人もいて、字面だけを見て反対している可能性が高いといえます。
外国人の行き過ぎた受け入れや優遇を抑えて日本人を大切にすることが重要であるという内容であり、参政党は日本には珍しい右派ポピュリスト政党となるかもしれません。