中小企業の融資金利はどう決まる?

金融機関から融資を受ける場合、どのような形で金利が決まるかを理解しておくようにしましょう。
まず融資の目標金利は、調達金利、経費率、予想損失率、目標収益率を合わせたものとなりますが、それぞれの項目の内容を理解しておくようにしましょう。


調達金利は金融機関が資金調達する時の費用
銀行が企業に融資をする資金は、預金者や日本銀行、銀行間で資金を融通し合う市場などからの資金調達によるものです。このような資金調達の際に利息を支払うことになりますが、それら調達費用のことを指しています。
経費率は銀行の運営にかかる費用
銀行の土地・建物の賃借料、顧客に対する粗品、企業調査の費用、従業員の人件費など、銀行が業務を営むために必要な経費を銀行全体の融資量で割った割合です。
損失発生の見込み割合が予想損失率
銀行は融資先企業に対して信用格付を行います。格付ごとに企業の倒産確率を算出しますが、担保や信用保証協会保証等保全されている融資か考慮した上でどれだけの損失が発生するかを見込んだ割合が予想損失率です。財務内容や業績が悪く信用格付が低い企業はこの予想損失率が高くなると言えるでしょう。
融資金利の設け部分が目標収益率
銀行が最も収益源としているのは企業に対して融資を行い、それによる利息を得ることです。目標収益率の部分で儲けを出すことになり、調達金利、経費率、予想損失率の3つは融資を実施することでかかる費用部分ですが、目標収益率の部分で儲けを出すことになります。
返済が滞るリスクが高いと金利も高くなる
融資にかかった費用を上回る金利を付けることができれば、その分儲けとなる仕組みです。複数の銀行が融資の提案を企業に提案し、銀行間で競争が起これば金利も左右されることになるでしょう。
しかし信用格付が悪い企業に対して融資を行う場合、銀行は途中で返済されない事態に陥る可能性を考えることになります。リスクが高い分、利息も多く取っておくということです。
信用格付が悪くても金利が低くなることもある
ただし企業と銀行の取引は、融資以外にも、預金、振込、役員従業員取引、外国為替などの手数料、役員従業員取引、銀行関係会社との取引などがあり、それらで銀行に収益を与えることができていれば信用格付が悪くても金利が低めに設定されることもあります。
さらに担保や信用保証協会保証などの保全などがあると、貸倒れリスクを抑えることになりますのでやはり金利を低くすることができるでしょう。
業績が低迷しているからこそ金利を下げたいなら
業績が悪化している信用格付が悪い企業はどうしても金利が高くなってしまいます。金利を下げたい場合には、経営改善計画書の作成や経費削減計画の中で金利の引き下げに協力してもらいたい旨を銀行に強調することも必要です。