自民党総裁選が注目される理由

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石破総理大臣が辞任する意向を表明したことで、自民党では総裁選の準備を始めており、多くの注目が集まっているのです。
しかし、自民党総裁選が行われるということで多くの注目が集まっているのはなぜなのでしょうか?
自民党総裁選が注目される理由について、解説します。

自民党総裁選は誰が出る?

石破総理大臣が辞任するという意向を表明したため、自民党では総裁選の形式や日程についての協議を進めているのです。
自民党の森山幹事長をはじめとした執行部は9月8日の午後に党本部で会合を開き、石破総理の後任を選ぶための総裁選挙の形式を協議しました。

競技の結果、全国の党員の声を広く聴くべきだという意見が多かったため、党員投票を行う形式にするよう調整していくこととなったのです。

党員投票はフルスペック型とも呼ばれる方式で、昨年行われた総裁選でも同じ方法で全国105万人余りの党員や党友による投票を行いました。

フルスペック型以外には簡易型という方式もあるのですが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?

フルスペック型は、国会議員票と同数の党員・党友票で実施され、各地で街頭演説会などを開催し、選挙期間は12日以上と定められています。
簡易型は国会議員と都道府県連の代表による投票で実施され、県連によって党員・党友による予備選をする場合もあるのですが、選挙期間は短い傾向があるのです。

茂木前幹事長は8日午前、国会内で記者団に対して石破総理が辞任する意向を表明したことについてコメントし、大きな成果を上げたことに敬意を表すると述べています。

また、自民党は結党以来最大の危機にあるため、新自民党を作り内外の厳しい課題を解決して日本を前に進めていかなくてはならないと述べているのです。

誰が次の総裁、総理になったとしても現状を改善するのは厳しい道だからこそ、多くの経験をしてきた私のすべてを国に捧げたいと立候補の意向を表明しました。
茂木氏以外にも、高市前経済安全保障担当大臣や小泉農林水産大臣、小林元経済安全保障担当大臣などが出馬の意向を固めているのです。

経済への影響は?

これまでの地味党総裁選では、経済にほとんど影響を与えなかったのですが、今回は経済に与える影響も大きいと予想されています。

なぜかというと、まず右寄りの総裁が誕生した場合に中国や韓国との関係が変化してしまうという点があるでしょう。
また、東アジアの地政学リスクなどの影響を受けてしまう可能性も高くなってしまいます。

2つ目の影響として、1つ目の影響を理由として防衛費が増額となり、日本と国債金利に影響を与えるでしょう。
トランプ大統領との関係性がどうなるかもわからず、今までの話し合いで関税15%を引き出しているものの5500億ドルの投資・融資の内容は一切決まっていません。

総裁がアメリカ寄りになる可能性もあるため、内容についても大きな違いが生じると考えられるのです。
アメリカとの関係性が変化してしまえばアメリカ以外の国との外交戦略にも影響を与えることとなるため、今回は非常に重要な総裁選となります。

海外の通信社で書かれている記事には、しばしば総裁選トレードや高市トレードといったワードが散見されるようになっているのです。

株価の変動についても、次期総裁が誰になるかの予想に基づいて変動しているともいわれています。
予想の内容としては、もし新たな総裁となったのが高市氏なら日本銀行は金利を上げる方向性にブレーキをかけて、むしろ利下げの話が出るかもしれないというものです。

利下げとなると投資がしやすくなるため、不動産や株式などは上がる可能性が高くなると思われます。
しかし、銀行にとっては収益がマイナスになってしまうため株価が下がってしまうことになるでしょう。

防衛や原子力についても積極的になるため、関連する株価がすでに上がっているといった一連の動きについて、高市トレードと呼ばれるのでしょう。

では小泉大臣が総裁となった場合はどういった動きがみられるのかといえば、今度は高市トレードと正反対の動きになると予測されます。
日本銀行が狙う政策金利上昇については特にブレーキをかけるような要素はなく、銀行は収益を増して利益も増やすことができ、プラスの動きとなるでしょう。

しかし、金利が高くなってしまえば不動産ローンの金利も高くなってしまうため、不動産の購入や不動産投資においてはマイナスになってしまう可能性も高くなります。
小泉大臣は防衛費や原子力に関しては明確な回答をしていないため、どちらかといえば下がると予想されるのが、市場のコンセンサスでしょう。

値動きの方向性がある程度決まっているのであれば、個人投資家にとってもチャンスの状況といえるかもしれません。
しかし、一般の個人投資家は高市トレード、小泉トレードに投資しようとは決して思わない方が良いのです。

なぜかといえば、総裁選が始まり投票が集まるにつれて、予想された候補者とは異なる候補者が当選するかもしれません。
個別の銘柄を選んで投資するのであれば特に問題はないかもしれませんが、方向性を決めてセットのように投資するのは避けた方が良いでしょう。

現在、候補者の中でも特に有力とみられているのが高市氏と小泉氏で、特に高市氏が総裁となった場合は初の女性総理大臣の誕生にも期待できます。
であれば、高市氏には女性票が集まりやすくなる一方、女性を首相にしたくない男性の票は別の候補者に集まりやすくなるでしょう。

多くの党員、党友が投票に参加することとなる今回の総裁選は、複雑に絡み合った事情を紐解きながら予想していく必要があります。

まとめ

自民党総裁選が行われることとなり、今回は小林氏、小泉氏、高市氏、林氏、茂木氏の5人の立候補者が出ているのですが、特に注目されているのが高市氏と小泉氏です。
今回の総裁選が注目されている理由としては、選挙方式がフルスペック型で全国の党員に投票権があること、日本史上初の女性総理が誕生する可能性があることなどがあります。
石破総理の残した問題もあるため、どう解決先を見出すかも注目されるでしょう。