黒字倒産の現状

その他のリスク

みなさんは企業が倒産してしまう理由として、何を思い浮かべますか?
一般的に、経営が困難になったり赤字の状態になったりすると、倒産してしまうと思いますよね。
しかし、赤字だけが倒産の原因ではないのです。
今回は、黒字倒産について、その現状を踏まえながらお話ししたいと思います。

黒字でも倒産してしまうの?その原因は?

私たちは経営上の話を聞いた際、「黒字」であることは経営にとって良いことだと思いますよね。
つまり、企業に利益がたくさん入っていて、経営上問題がない状態になるでしょう。
しかし、近年は「黒字」であることが良いことだと言い切れないのを知っていますか?

実は、黒字経営であっても、倒産を選択してしまう企業はあるのです。
その最たる理由は、企業内で使えるお金が無くなったという根本的な部分からきているのですが、黒字なのにお金が無くなることはあるのでしょうか?
大きな原因は、企業の経営における収支のズレにあります。

例えば、私たちがお店でお菓子を買う場合、現金ならばその場で商品と引き換えになりますよね。
そして、お店側は商品を渡す代わりに、そのお菓子の価格に応じたお金を受け取ることになります。
ですので、支払ったお金は、お店側にある状態になるでしょう。
そのお金から、次の売買のやり繰りがされていきますから、お店の手持ちのお金が0になる状態にはなっていませんよね。

しかし、お菓子の購入の際に、現金でなくカードで支払った場合はどうでしょうか?
カード払いになると、お店にすぐお金が入るのでなく、一時的にカード会社がお金を建て替えて支払っている状態になりますよね。
そのため、お金が入ってくるのは当日でなく、数日、数か月後という形になるでしょう。
これでは、入金にタイムラグが生じてしまいます。

その間に、大きなお金の動きがあるとなると、お店で確保しているお金が無くなってしまう可能性がありますよね。
その結果、経営ができない状態になってしまうのが黒字倒産の状態になるでしょう。

このような倒産理由は、近年減少傾向になってきていますが、まだまだ油断はできません。
2018年の東京商工リサーチにおける『倒産企業の財務データ分析』調査では、倒産企業の約5割近くが黒字での倒産になっています。
この割合は、決して小さな数字ではないでしょう。

参考URL東京商工リサーチ
(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190215_02.html)

経営で見直すべきポイントは支払いの形態

倒産を回避するために収支状況を確認するのは大前提なのですが、企業によっては集金の仕組みに問題を抱えている場合も少なくありません。
例えば、商品の取引をした際にいつまでに入金をするのか、その期間の設定はどうなっているでしょうか?

倒産を避けるポイントには、なるべく短期間で入金が確認できるようにすることが挙げられます。
例えば、商品の契約が成立してから、1週間以内に入金をしてもらうというような形になるでしょう。
もちろん、この期間の設定は企業ごとに異なりますし、取引先との関係で変化することもありますよね。

ですが、だらだらと長期間の猶予を設けてしまうと、経営面にとって致命的になってしまいます。
その結果、従業員への給料を支払う分のお金がない、ということにもなり兼ねませんよね。
やり繰りが順調にいかなければ、経営面だけでなく、従業員の生活にも響いてきますから、避けなればならない状態になるでしょう。

ですので、支払い期間を見直すだけでも、ぐんとリスクを小さくすることができます。
これならば、企業の規模に関わらず、見直しやその検討がすぐにしやすいですよね。
企業内にお金が中々残らないとお悩みの人は、まずはここから見直して改善してみてはいかがでしょうか?

参考URL資金調達lab
(https://shikinchoutatsu-lab.jp/shikinguri/3923/)

まとめ

経営状態は、どうしても利益の数値を見て判断してしまいがちですよね。
しかし、従業員への給料や取引先への支払い等、現実的にすぐに使えるお金をキープできているかどうかは、利益と同じくらい重要です。
収支状況を常に確認することは大切ですが、どうにもならない状態になってしまっては大変ですよね。
倒産のリスクは、赤字だけではないことを覚えておきましょう。