日本学術会議問題とは?

菅政権になってから、大きな議論になっている日本学術会議。
みなさんも、その一端を報道で知っているはずです。
メディアでは、菅政権の一方的な対応がおかしいと話題になっていますよね。
この問題を理解するには、組織の本質を理解する必要があります。
ここでは、現在までの議論を踏まえて解説しましょう。

現在までの議論されている内容のズレ

現段階でみなさんが知っている状況としては、日本学術会議が推薦した6名の学者の任命を拒否したことになりますよね。
任命を拒否された学者たちは、専門分野の中で有名な方々です。
当然ながら、拒否された理由について、当人たちだけでなく誰もが知りたいと思うところでしょう。

しかし、任命拒否をした明確な理由は、今のところ分かっていません。
今後の臨時国会内で、野党は追求する旨を掲げています。
ですが、一般的な生活をしている私たちからすると、理由もなしに任命拒否をするというのはおかしいと感じるでしょう。
さらに、報道では「学問の自由」が侵害されている、と今回の対応に否定的な意見が飛び交っています。
これらの議論を見ている人は、菅首相が悪いというイメージを持ってしまっていると思います。

ですが、この議論にはズレがあるのです。
まずは、そのズレを理解するために必要なことを解説したいと思います。

・任命拒否は適切な手続きの基、行われたこと
・学問の自由の侵害になるのか?

みなさんが報道によって得た情報は、いつも正しいとは限りません。
上記2点を踏まえて、考えてみましょう。

・任命拒否は適切な手続きの基、行われたこと
最初に確認しなければならないのは、一方的に菅首相が任命拒否をしたという事実についてです。
この事実を文面の通り受け取る場合、適正な手続きを踏まえないで拒否したと思ってしまいますよね。
しかし、事実はそうではありません。

「法に基づき適切に対応してきた」と、一方的な弾圧でないことを説明しているのです。
実は、2018年11月に内閣府の日本学術会議事務局によって作成された内部文書によると、任命拒否をすることができる内容が記載されていたのです。
これは、憲法15条や65条、72条を根拠として作成されており、勝手な内容で作成されたものではありません。
しかるべき方法で任命拒否を行ったことから、主張している内容になるでしょう。

従って、全くもって問題ないのです。
例えば、科研費を打ち切ったり、仕事を奪ったりするような行為をした場合は、明らかに弾圧しようとしていることが分かりますよね。
この行為には、法的な根拠がありません。
根拠があるかどうかを問うならば、法的な問題はないと言っていいでしょう。

・学問の自由の侵害になるのか?
もう一つは、学問の自由を侵害しているのか、という基本的人権に関わることです。
私たちは、日本学術会議と聞くと、研究を積極的に行うような組織のイメージがありますよね。
そうなると、研究者はみんなこの組織に入っていると思ってしまいませんか?
実際はそうでもないのです。

この組織に入っていなくても、研究を行っている研究者は大勢います。
研究者として認められる手段は、何も組織入りすることではありませんから、学問の自由が侵害されているとは言えませんよね。
任命拒否をされた研究者たちは、今後研究ができなくなることはないですから、侵害されているという批判は間違いだということに気付けるでしょう。
つまり、報道で議論されていることは、極端な議論になっており、論点がズレてしまっていることになりますよね。

ここまでの事実を知った時、みなさんはどう感じるでしょうか?
報道されている内容だけを聞くと、首相のみが悪いという印象を持ちますよね。
確かに、現在報道されている内容には、名簿を見ないまま任命拒否の判断を行った等、首相側にも落ち度たる部分はあるでしょう。
だからと言って、全ての行動がおかしいとも言い切れませんよね。

何より、この問題は日本学術会議の組織的な本質を知ることで、偏った報道がされていることに気付けるはずです。
どのような組織なのか、今一度確認しましょう。

組織の在り方から学問の未来を考える

日本学術会議に所属している研究者の立場は、「特別職国家公務員」になります。
所謂公務員と同じような立場になるのですが、これは公的な組織であることを意味しますよね。
このような事情が、従来からあった課題に関わっているのです。
その課題とは、以下の通りです。

・組織内の改革
・技術の流出

どちらも、軽視できない内容になりますよね。
この部分を知ると、批判内容に違和感があることでしょう。

・組織内の改革
政府の立場からこの組織を見ると、資金提供をする以上は何かしら政府にとってメリットのある成果を残して欲しいと考えるのは当然です。
しかし、外部の評価だけでなく、人材の硬直・停滞化が大きな問題となっているのです。

しかるべき結果が出ないまま、資金提供だけするというのはおかしいですよね。
その結果、政府も組織の在り方等に介入するようになっている経緯があるのです。

違和感があるのは、これだけではありません。
今回任命拒否をされた6名は、これまで政府に対して批判的な意見を述べていた人たちになります。
一見すると、拒否されるということの理由にもなり得そうですよね。
そのような経緯がありながら、政府お抱えの組織に加入するというのは、矛盾していると思いませんか?
批判的な立場ならば、本人自らが組織に所属しないという選択をすることも可能ですよね。

実は、組織に所属することができると、資金面で様々なメリットがありますから、所属した方のメリットが圧倒的に大きいのです。
ここでみなさんは、疑問に思いませんか?
政府に批判的な立場の人が、批判をしつつもお金を受け取っている。
こんなことがあって良いのでしょうか?

この事実は、何も6人だけに限りません。
そもそも組織的に左寄り傾向のある団体ですから、批判しながらもお金を受け取っている人は多いと考えていいでしょう。
政府視点から組織を見た時にどう映るのかは、みなさんも理解できるはずです。

・技術の流出
もう一つ考えなければならないのは、技術流出の危険性です。
日本学術会議は、基本的に防衛省予算を使った研究開発、つまり軍事研究への参加は禁止としています。
これは、技術を軍事転用されないために行っていること、ということに理解できるでしょう。

ですが、矛盾した行動を取っている部分があるのです。

その部分とは、留学生の積極的な受け入れです。
近年は、国内に限らず、優秀な研究者がたくさんいますよね。
日本でも研究できる機会として、中国、韓国の留学生の受け入れをしているのです。
これは、喜ばしいことのように見えますが、デメリットしか生み出していません。
なぜなら、留学生が日本で研究した技術を自国に持ち帰り、軍事転用しているからです。

みなさんの中には、「千人計画」と呼ばれる、中国が行っている研究者ヘットハンティングプランを知っている人がいるでしょう。
これは、高額な年俸と充実したラボを提供する代わりに、持っている技術を全て提供するプランになります。
日本も中国からの留学生を組織に受け入れていることで、貴重な技術が流出していると議論されており、組織の根底を覆す内容になりますよね。
このことは、日本に限らずアメリカでも発生しており、いかに技術流出を防ぐのかということで大きな課題になっています。

このような課題がある組織に対して、学問の自由が侵害されているという批判を首相にするのはどうでしょうか?
もしかすると、実際に制限しているのは政府側でなく、組織側なのかもしれません。

まとめ

現在話題になっている日本学術会議について、議論の本質を理解して頂けたでしょうか?
報道では政府が悪いという印象が強いですが、これはあくまでも偏った意見でしかありません。
全体を見てみると、政府側の組織に対する懸念があったことや、組織自体の方向性に疑問を抱きますよね。
今後の報道を見ていく際には、正しく問題を理解するためにも一つの意見に惑わされないように注意して下さい。

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