経営者リスク/経営者が介護状態になってしまったら?

日本は少子高齢化が進んでおり、要介護状態になるリスクは中小企業の経営者にとっても問題になっています。
現役経営者の平均年齢からみても、介護という問題は関心が高くなる分野です。経営者が介護状態になった場合には就労不能となり、加えて療養することが必要です。
仮に経営者が介護状態になってしまった場合、どのようなリスクに備えておけば良いのでしょう。


介護の負担は家族へそのままのしかかる
日本で要介護(要支援)認定を受けている人は、65歳以上は約6人に1人、75歳以上になると約3人に1人です。
公的介護保険で治療費の負担は2割で済むとしても、要介護者に対して利用できる介護支援施設も限られています。
国も在宅介護の方針へと切り替えるなど、けっして手厚い介護は期待できると言えません。
介護状態になった人の約6割は介護期間3年以上を必要とし、その負担は家族が負うことになります。そのため金銭的な負担だけでも軽減しておくことが必要となるでしょう。
会社を守るために必要な資金
要介護状態は状態に応じて要介護1~5まで認定されますが、数字が大きくなるほど重い状態になります。
その時に備えて資金準備が必要ですが、会社を守るために必要な資金として、事業補償対策のための資金、緊急予備資金、事業承継対策資金、福利厚生資金があります。
そして経営者本人と家族を守るための資金として、次の3つの資金を重点的に考えてみましょう。

・遺族生活保障資金
経営者が生活の収入源を失ってしまった時のために、死亡退職金や弔慰金を会社から支払うことになります。役員退職慰労金規定を整備し、計画的に資金を準備しておく必要があるでしょう。

・長期療養資金
経営者が高度障害状態や介護状態、または長期療養が必要な疾患を患った場合など、一線から退く場合にも資金が必要です。
固定費の支払いや売上が減少することなどのリスク、そして入院費用として見舞金を支払うことも必要となります。

・勇退後の生活資金と退職金
経営者の功労に応える勇退後の生活資金としての退職金が必要です。計画的に財源を準備し、後継者の資金繰りや決算などに影響を及ぼさないようにしましょう。
生命保険を活用したリスクヘッジ
要介護状態になった時に保険金を受取ることができる生命保険を活用しましょう。要介護1や2でも給付を受けることができる商品が主流になりつつあり、掛け捨てタイプやまとまった資金を受取ることができるタイプまで様々です。

・掛け捨てタイプの保険
掛け捨てタイプの場合、死亡給付金はほとんど受取ることはできませんが短期払いで全損扱いになります。一定年齢で支払いが終わりますので、一生涯の介護保障を法人で準備し、いずれは個人に移転するという方法も活用できます。
最大のメリットは、経費で将来のリスクへの備えができるという部分だと言えるでしょう。

・まとまった資金を受取ることができるタイプの保険
また、まとまった保険料を一時払いで支払うタイプの場合、一生涯の保障を得ることができる上に解約返戻金も受取ることができます。
受取人は掛け捨て型と同様に後継者に設定することもできますので、介護をきっかけとして個人や後継者へと無税移転することも可能です。
介護に対するリスクへの備えを!
経営者が介護状態になる可能性は否定できません、高齢化が進む中、中小企業でも介護に対するリスクへの備えを事前に検討しておく必要があるでしょう。
そのために活用できる生命保険もあります。専門家などに相談し、一番良い商品を活用すると良いでしょう。