日米金利差と円安がもたらす影響は⁉︎

その他のリスク

現在、日米の金利差は急激に拡大しつつあります。
また、大幅な円安も起こり、日本の経済には多大な影響があります。
円安にも大きく影響していると言われる金利差ですが、これによって起こる影響としてはどのようなことが考えられるのでしょうか?
日米の金利差と円安によってもたらされる影響について、解説します。

日米の金利差の動き

日米の金利差というのは、どのような動きをしているのでしょうか?
10年国債利回りから見られる、長期金利の差を見ていきましょう。
以前と比較して、どのくらい変わっているのでしょうか

10年国債利回りから見た日米の長期金利の差は、2020年1月頃には2.0%でした。
そこから4月までには差が大きく縮まり、8月頃の金利差は0.5%となっています。
しかし、そこから差は大きく広がり始めました。

2021年4月頃の日米金利差は、1.5%になっています。
そして2022年に入ってから急激にその差は大きくなり、4月には2.6%、5月は3%以上にまで広がっているのです。

これは、米国と日本の政策の違いが大きな原因となっています。
米国では、米FRBが急激なインフレ対策として0.25%の利上げを実施して、その後でさらに0.5%の利上げを実施しています。
それによって、米国の長期金利も上昇しているのです。

一方、日本では日銀の総裁が金融緩和政策を堅持していて、債券市場にも指値オペで直接介入をした上で長期金利を0.25%に抑え込んでいるのです。
なぜ、それ以上上げないようにしているのでしょうか?

指値オペというのは、国債の価格が下がり長期金利が0.25%を超えるようなときに日銀が国債を買い支えることで、金利を下げることを言います。
日銀は予算不足になることがないので、確実に狙った価格にすることが可能です。

日銀が行う金融緩和政策の主な目的は、金利を下げることで企業や個人が民間銀行から低金利の融資を受けやすくすることです。
そうして、国内で循環するお金を増やし国内景気を上向かせようとしているのです。

また、国債は政府が行う様々なコロナ対策の補助金などの財源にもなっています。
そのため、国債の金利が上昇してしまうと、返済する政府の負担が大きくなってしまいます。
それを避けるためにも、金利を抑制しています。

しかし、その結果として起こったのが日米の金利差、そして円安です。
日米金利差と円の値動きは、かなり一致した動きをしています。
金利差が大きくなると、円安が進行してしまうのです。

なぜかというと、投資家が金利の低い円ではなく、金利が大きい米ドルを持つようになるからです。
そのため、これまで円を持っていた投資家も、円を売ってドルを買うようになります。

円が沢山売られると、当然円の価値は下がり円安になってしまいます。
その結果が、6年ぶりと言われるドル高円安なのです。
これは、当然起こるべきして起こったことと言えるでしょう。

円安の影響は?

円安と言っても、普段外貨に触れることがない人であればあまり気にならないかもしれません。
円安は悪いことのように言われることも多いのですが、短期的に見ると良いこともあるのです。

まず、円高になった時の問題となるのが、輸入企業です。
同じ10ドルの品物に、これまでは1200円支払っていたのが1300円支払うことになると、それだけ経費が増えることになり経営が厳しくなります。

また、一般家庭でも悪影響が起こります。
日本には多くの輸入品があるのですが、その価格が上がってしまいます。
その分、これまでと同じものを買っていても家計は圧迫されることになるでしょう。

これは、何も輸入品そのものを購入した場合だけ影響があるとは限りません。
例えば、国内企業で生産しているものであってもその原材料に輸入品がある場合はその分の経費が増えるので、価格に転嫁される可能性はあるのです。

また、輸入企業にとっては経費が増えるのですが、輸出企業であれば円安になった分利益が増えることになります。
輸出企業は、大企業が中心でしょう。

円安が一概に悪いものと言えるわけではないので、日本経済にとっては良いことなのか、悪いことなのかを判断するのは難しいでしょう。
しかし、今後さらに金利差が広がっていった場合は更に円安が進んでいくかもしれません。

そうなった場合、長く続くにつれて国内景気はさらに悪化していくことが懸念されます。
日銀の総裁も、急激な円安によってマイナスが大きくなるとコメントしていて、今後の状況次第では金融緩和政策の転換も検討しています。

民間銀行の住宅ローンを見ると、固定金利に関しては2022年になってから上昇傾向にありますが、変動金利の場合は基本的に低金利のままとなっています。
日銀が今後利上げすると予想しているため、このようになっているのでしょう。

固定金利については、決められた期間はその金利のままなので、急激に金利が上がった時に備えて現在の金利よりも高い金利を設定しておくものです。
そうしなければ、金利が上がった時に銀行が損をしてしまうからです。

しかし、変動金利の場合は6ヶ月おきに金利を見直すことができます。
そのため、金利が変動した場合はそれに合わせて上昇できるので、今から上げておく必要はありません。

現状、円安が日本経済に対してもたらす影響は、良いとも悪いとも言えません。
そのため、日銀が今後利上げをするかどうかもどちらか分かりません。
とはいえ、このような状況になるまでは利上げの可能性が皆無だったことを考えると、50%まで上昇しているともいえるのです。

金融機関としては、0から50%になったというのはかなり可能性が高くなったと言えるでしょう。
そのため、金利の上昇には備えておく必要があるのです。

長期固定金利は、今後も徐々に上昇していくと見られますが、変動金利については当面の間横ばいになっていくでしょう。
しかし、いつ大幅に金利が上がるかはわからないので、常に備えておく必要はあります。

まとめ

日米の金利差は、6月にピークを迎えてから若干低下していますが、円安の現状は変わらず市場ではドルが買われています。
今後も、大きな変化がない限りは円安が進んでいく可能性は高いでしょう。
しかし、円安を食い止めるために日本の金利が上昇することがあれば、今度は住宅ローン等に大きな影響が出ることになります。
国内景気にも影響してくるので、今後の動きについて注目しておきましょう。