コロナ禍での大転換期に経営者は….

経営戦略

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、多くの企業が影響を受けています。
コロナ禍の中、企業が生き残るには様々な工夫が必要となる大転換期を迎えていると言っていいでしょう。
そんな中、経営者は何を思うのでしょうか?

経営者の思い

コロナ禍の影響で経営が厳しくなり、苦しい思いをしている企業はたくさんあります。
その中で、どのような思いを持って経営を続けているのでしょうか?
様々な業種の社長の思いについて、解説します。

アプリケーションの開発や運営などを業務としている企業の代表取締役は、会社に対して踏み台というイメージを抱いていると答えていました。
自分が武器として選んだスキルを装備して、多くの経験値を得てレベルアップする場所が会社なので、クエストともいえるとゲームに例えて答えています。
それは経営者の立場でも変わらず、目標を定めてそれを達成するための課題、つまりクエストをクリアしていき、その中でゴールも変化していく、というイメージだそうです。
そのため、コロナ禍に関しても逆境を乗り越え得るという経験を得られる機会になった、と前向きにとらえています。

日本国内だけではなく、上海や台北にも展開するフィットネスジムの経営者は、コロナ禍をチャンスに変えています。
緊急事態宣言が発令されたことで外出を自粛し、運動不足になった人を対象としてプログラム動画を無料で公開したのです。

動画は大きな反響を呼び、フィットネスジムの知名度を上げて新規会員の獲得にも役立ちました。
会社を通じて、不特定多数の人生をより良いものへと導くことが出来るようなコンテンツ作成をライフワークとしていて、実際に人生が変わったと感じた人も多数いたそうです。

農家をはじめとした生産者が産地直送の食材をネットで販売するオンライン直売所を経営している企業の代表は、コロナ禍においてそのスタイルを変更していません。
その結果、今までの販路を失った生産者が利用して、多くの人へと食材を届けることが出来ました。

たとえどのように世の中が変化したとしても、自分たちのやり方は貫き通すという思いで、サイトの運営を続けています。
会社は、1人で達成するのが難しい目標を、多くの人の力を借りて達成するための場所と考えています。

介護・福士業界の人材育成支援や採用、コミュニティの運営をしている企業の代表取締役は、全ての人が希望について語ることのできる世界を目指しています。
そして、コロナ禍で将来の見通しが立たなくなった今だからこそ、そのビジョンの価値が高まったとも感じています。

事業を通じて、介護業界を取り巻いている課題に取り組み、その解決を目指している企業であり、介護業界をより良いものとして自身やその周囲の大切な人たちの未来に備えているという考え方で、会社を生きがいそのものと例えています。

シフト・勤怠管理アプリやプログラミング不要のチャットボット内蔵ツールを提供している企業の社長は、コロナ禍で負の要素が社会に生まれやすくなった様子を見て、不都合な事象への対策を練って新しい価値を生み出すのが会社にとっての使命だと考えています。

個人では不可能な問題であっても、会社という器であればその解決に取り組むことが出来る、と考えているのです。
今後も、変わり続ける社会をより良い方向に導くことができる会社を目指していくそうです。

Googleマイビジネス一括管理ツールを提供する会社の代表取締役は、コロナ禍を機に自分たちの課題を明確にしたそうです。
それまではあいまいだった、企業の長期的戦略について役員メンバーと話し合い、やるべきことを明確にしたそうです。

次世代のインフラを作り上げることを自分たちの課題と考えていて、顧客から自社に関わっていてよかった、と思われるような存在を目指しています。
会社は、自分たちだからこそ本当にやるべきことを実行する場所と考えています。

コロナ禍における企業の取り組み

コロナ禍の影響で、多くの企業が利益を減じ、中にはほとんど仕事がなくなった所もあります。
そのままでは座して死を待つだけとなってしまうのですが、それをよしとしない企業は新たな取り組みを始めているのです。

とある映像コンテンツ制作会社では、地元の事業者が苦しむ姿を何とかするため、映像制作を無償で請け負ってインターネット上でPRしました。
その結果、事業者だけではなく制作会社の知名度も上がり、依頼が増加しているそうです。

酒類の製造・販売を行う企業では、コロナ禍による需要の減少に対抗するため、地元の素材を活かしたスピリッツ類の製造を開始しています。
これには、日本酒の原料である酒米を用いることで、酒米を作る農家を守ることにも繋がっています。

名物のご当地B級グルメの製造・販売を行っている会社では、なるべく人を介さずに販路を広げるため、自動販売機での土産物の販売を開始しました。
幅広い商品を扱っていて、今後は各地の物産販売も始めて地域を活性化させたいと考えているそうです。

スタジオの運営や結婚式のプロデュース等を行っている写真館は、M&Aで小規模温泉旅館を取得し、旅館の貸し切りと祝い事とがセットになったプランを始めました。
通常より1段階上の特別感を味わえるため、人気となっているようです。

電動フォークリフト用のバッテリーのメンテナンスを行っている企業では、コロナ禍において高性能のバッテリーを販売開始したところ、ニーズにマッチしました。
感染リスク抑制を考えた事業者から、メンテナンス頻度を減らすことのできる高性能バッテリーは需要が高いものだったのです。

ジビエ料理が人気の飲食店では、コロナ下で客足が減少したことで別の商品の開発を進め、イノシシ肉を使ったペットフードを販売しました。
猪肉の使い道も必要なので、全国展開して愛犬家のニーズにもマッチしました。

まとめ

コロナ禍によって、多くの企業が今まで通りの事業を継続するだけでは困難な状況に陥りました。
そこで、経営者の多くは新たなアイデアを基にした新事業を開始しているのです。
そういったものの中で、ユーザーのニーズに合致したものは非常に人気となっています。
コロナ禍にあって、企業は大転換期を迎えているのです。
経営者は、新たな産業を慎重に考える必要があるでしょう。