定款の目的に定めていない事業は行えない?

会社を興すときは、法務局登記をする必要があります。
その際に、定款というものを提出することになるのですが、この中には事業の目的その内容、具体的な活動などが記載されています。
そこに記載されていないような事業を行いたい場合は、どうなるのでしょうか?

定款に記載する内容は?

登記の際に必要となる定款には、どのような事を記載しているのでしょうか?
まずは、定款によって定められている内容や、その効力がどのくらいなのか解説していきます。

定款というのは、どのような会社を設立するかという設計図であり、またどのように会社を運営していくかという航路図でもあります。
そして記載される項目としては、必ず記載が必要な事項と、法的な効力を得るために記載するべき事項、そして任意的に記載する事項に分けられています。

事業目的は、この中の必ず記載が必要となる、絶対的記載事項にあります。
それ以外には、本店の所在地や会社の商号などが当てはまります。
その内容を変更する場合は、変更事項の効力が発生する日から2週間以内に変更登記を行わなくていけません。

この事業目的についてですが、法人は定款や基本約款にある事業目的の範囲内においてその権利を有し、また義務を負うことになるという旨が民法で定められています。
そのため、目的の範囲から逸脱した部分については、何の権利も持たない事になります。

ところが、その目的の範囲内という部分については、広い解釈が可能となります。
直接その目的に関係していなくても、目的を達成するために必要、あるいは有効となる行為も目的の一部として判断されることが多く、本当に目的を達成するのに必要かという判断もあまり厳密に行われることはありません。

実は、事業目的にはあまり具体性が必要とされていないのです。
どの程度の具体性を持たせるかはそれぞれの判断に任せられていて、その点は審査されるものではないのです。
そのため、具体的な目的を記載する場合でも、最後に「上記各号に付帯関連する一切の業務」といった記載をすることで、適用される範囲を広げている企業は少なくありません。

具体的に書かなければいい?

事業目的に関係した事業なら認められるものの、それと大きくかけ離れていて、関係性が認められない事業の場合は行えない可能性があります。
それなら、事業目的を具体的にしなければいいと考えるかもしれませんが、その場合はまた違ったデメリットが生じることもあります。

具体的に事業目的を書かなかった場合のデメリットとしては、まず営業許可を得る際に不都合が生じる場合があります。
営業に際して行政機関からの許可や認可、もしくは届け出が必要となる業種の場合は、定款としてその事業目的に定められ、登記されていなければいけません。

また、対外的な信用という面でもデメリットとなります。
取引先を新規に増やす場合や、銀行からの融資を受ける場合などは、謄本を提出します。
その際に、目的があまりにあいまいだと、その会社が信用できるか、という不安が生じることになるでしょう。

自分の身に置き換えた場合、家電を買う際に同じ値段なら、家電量販店と多種多様な商品を扱っている小売店のどちらを信用して購入するか、という問題になります。
大抵の場合は、家電量販店の方が信用できるでしょう。

こうした理由から、あまりにあいまいな目的の場合は支障が出ることもあるので、多少の解釈の余地は残しつつも目的は明確になるよう記載した方が良いでしょう。

まとめ

民法上、定款に目的として記されていること以外の事業は行えない可能性があります。
ただし、そこには解釈の余地があるので、大きく逸脱していない限りは認められる可能性も高く、また目的そのものを曖昧に記載することもできます。
ただし、事業目的が曖昧だと信用度が低くなる、もしくは事業に必要となる行政機関の許可などが受けにくくなるといったデメリットもあります。
そのため、事業目的は広く適用される可能性を残しつつ、はっきりと定める必要があるでしょう。

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